酒を書いて半世紀が近い | 山本祥一朗の酒情報

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32歳で処女作の酒の本を出した際、いろんな酒類関係者から「酒の本を書かれるからお歳の方かと思ったらお若いのですね」と言われた。

その後も、若い若いが続き半世紀近くが経って、今や78歳。石原慎太郎氏は4歳年上だが、80歳になった時に「老人になりました」と言ったのが実感として響いてきた。

妖艶な小説を書いていた渡辺淳一氏が、昨秋頃まで老境を迎えたエッセイを「週刊新潮」に連載していたが、それが中断したのは、やはり年には勝てなかったせいか。

その一方で、「人生、90歳からが面白い」と書いたやなせたかしさんは、昨年94歳で亡くなられた。90歳を越えてからは「ぼくは戦争は大きらい」などをまとめている。アンパンマンでブレークしたのは晩年だった。

誰しも晩年が近付くと身辺の整理を始める。“酒”を続けてきた私もそろそろ今後に繋がる集大成を考えていきたい。

カットはこれまで書いた本の一部。