日曜の午前はユースオーケストラの練習。
メンバーの足りないパートも多いので、毎回、あちこち応援をお願いしてオーケストラの形を整えています。
日曜の朝から協力に来てくださる大勢の方々には、いつも本当に頭が下がります。
団員たちもますます熱と気合が入ってきました。本番まで2ヶ月あまりとなり、この後の仕上がりが楽しみです。
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そして夕方は、久しぶりに学生オケのコンサートを聴きに行きました。
我がマエストロが長年指導されてる団体です。息子も賛助出演しています。
今回のプログラムの注目は、渡邊浦人の交響組曲「野人」。
これは学生時代の思い出の曲です。
最初の出会いは高校の頃の吹奏楽です。
我が恩師は流暢なるネイティブ仙台弁の先生で、練習の際、
「はい次、ヤズン!」
の掛け声で振り始めた姿を今も思い出します。
なので私にとってこの曲は「ヤジン」ではなく「ヤズン」です。
そして大学時代にはマンドリンオーケストラ用に編曲しました。
その際、作曲者・渡邊浦人氏に手紙や電話で直接を取りながら仕上げました。
40年も前のことです。
今日は、演奏を聴きながら、さまざまな思い出がありありと蘇ってきました。
実は、生のオケの演奏でこの曲を聞いたのは初めてです。とても楽しめました。
一曲目冒頭、静かに奏でられるフルートソロに、もう痺れました。
二曲目では幽玄、神秘、悲哀や慟哭などさまざまな表情が複雑な旋律で絡み合う難しい曲ですが、良く弾きこなしていました。
三曲目では、この曲に仕掛けられたサウンドの面白さが良く表現されていました。
この曲は、特殊奏法としてティンパニの胴を叩く指示こそありますが、基本は二管編成の至ってシンプルなオーケストレーションです。
にもかかわらず、なにか「新しい」音がします。それを引き出す好演でした。
法人作品の中ではもはや古典の範疇ですが面白い作品です。もっと演奏の機会が増えても良いと思います。
休憩をはさんでメインは「新世界」。
どのパートも上手で、特にソロは十分に聞き応えがありました。
2楽章のコールアングレ、ブラボー!
そして名曲です。目頭が熱くなりました。
終楽章では曲の盛り上がりと共に心も熱くなりました。
このコンサートで少々気になったのは、チューニング。
もっと綺麗な音で丁寧に合わせるよう心がけると、さらに素敵な音楽を奏でられると思います。
客席でお会いしたこの団の木管トレーナーの先生にそのことを告げると、全く同意見を示しておられました。
ただ、今回は指導がなかなか行き届かずもどかしさを感じられておられるようでした。
お聞きしたところでは、この学生オケは、コロナでかなり練習は制限された中で本番を迎えたとのこと。
熱意を持って、工夫しながら活動しているようです。
その成果が表れた立派な演奏でした。敬意を表します。
私自身、身体も回復し、コロナとの付き合い方もわかってきて、コンサートに身を浸す歓びの時間が戻ってきたこと、とても嬉しく思います。