昨日で2回目のステロイドパルス終了。体調は良く食欲も復活した。食べて体力を戻していきたい。今日からシクロホスファミド2回目。

 

リハビリでは麻痺した手指の機能回復のためフラウトトラヴェルソを使ってみようと妻に家から持ってきてもらった。久し振りに楽器を手にし嬉しい。

 

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=108428243712010&id=100036345044154

 

今日病室にいる間はずっと、見舞いで持ってきてくれた ロイヤルコンセルトヘボウのマーラー全集を聞いている。

 

液晶テレビのショボい音声出力を、SONYのSRS-XB31(勿論、イコライザをExtraBassからStandardに変更)に繋ぎ替え、リアルサウンド再生の準備も万端。

 

午前中まずヤンソンスの8番を聞いて、午後からは1番から順にコンプリートを目指すが、治療やら見舞も来たので中断あり、今まだ5番の途中。続きは明日だな。

 

でも、1番から10番、大地まで全部で14時間弱。朝9時に始めてぶっ通しならその日中に終わるということか。まさかそんなバカな聞き方はしないが。

 

愛に満ちた3番の終楽章が最も良かった。

 

20代の頃、マーラーユーゲントオーケストラ、ヤマカズ指揮、清水さんのコンマスでこの曲を演奏した時の感動を鮮烈に思い出す。

 

東北も山形大出身で関東にほとんどオケ人脈をもたなかった私にとって、フラン、新響をはじめとするジュネス OBのたちの腕利き猛者が大勢集うオーケストラの練習はまさに衝撃だった。

 

サントリーホールで演奏するのも生まれて初めてだったし、まだ20代だったから練習が終われば必ず終電まで それはそれは飲んだ。

 

音楽について夢について語って語ってとにかく楽しく飲んだ。

 

その時の人脈がいまだに続いているのも奇跡のようだ。

 

浦和フィル、日立フィル、フランなどあらゆる活動機会に活かされている。他にも、私が関わる色んな団体でどこへ行っても、その仲間の誰かを目にし、皆、常に輝いている。

 

マーラーの3番が終わって半年ぐらい後、合唱団ユマニテからフランへの依頼でカルミナブラーナの演奏の話があり、管楽器の人集めを私も担当し、これまた鮮烈かつ、私の音楽人脈を一気にひろげることとなった。

 

毎回の練習でこれまた沢山飲んではカルミナの替え歌で盛り上がり、夢を語って親交を深めた。

 

本番後も指揮者とピアニスト鈴木厚志氏と足立さんと夜明けまで飲んで、それはその後、ユマニテの メンバーと中島先生、鈴木さん、足立さんとドイツ、チェコ、ポーランドなどの演奏旅行に 何度か行く付き合いに発展して行く。

 

中島先生とは数多くの 面白いイベントに出演させていただいた

 

足立さんとはその後MSEでの魔笛はじめ数えきれない場でお世話になっている。

 

合唱団ユマニテの人脈は、その後、日立フィルの惑星、第九に繋がって行くし、

 

また鈴木氏の誘いにより瑞江のライブハウスに毎月通って個人技を磨き音楽で寛ぐことを体感し続けてきた。

 

こうしたことは、思えば全てマーラー3番〜カルミナブラーナからの系譜だ。

 

時を経て、ようやく今年、日立フィルがカルミナブラーナを演奏することになったのも、その時の鮮烈な思い出と、カルミナブラーナという曲が持つ不思議な力を、もう一度体験したいという強い思いからだった。実現間近になって 入院となってしまい本当に悔しい思いをしている。

 

日立フィルの皆さんが私の突然の不在の穴をがしっかり埋める動きを取ってくれていて頼もしい。

本番は、今後のカルミナ演奏にとって、イノベーションとすらなり得る、名演となることを確信している。

おそらく日本人指揮者でこの曲の演奏経験が最も多いマエストロ、武藤英明の、カルミナの ドイツツアーでの多くの経験に基づく演奏。

演奏そのものは勿論、

歌詞字幕投影の工夫や、今回の「ピアノ一台バージョン」は、 この曲の実演上、編成上のネックを一気に解消するもので、これにより、今後アマオケにおける演奏頻度を上げる福音となる。

 

そんなことを思い出し、涙しながらマーラーの3番を聴いていた。

 

愛に満ちた終楽章は大好きだ。