ソニーが、2012年3月期の連結決算見通しで、純損失が従来予想の900億円から2200億円へ大幅に拡大すると発表したそうだ。


おやじは、昔は熱狂的なソニーファンで、ステレオ、ラジカセ、テレビ、ビデオデッキ(ベーターまで持っていた)、ウォークマン、携帯、すべてソニー製品だった。

その頃のソニーには、人を惹きつける独自の機能や、魅力のある商品が多かった。

社長が日本では珍しく技術畑出身と言うところも、気に入っていた。

技術立国とか言ってる割には、技術者に対する待遇が悪く、能力高い人材はアメリカとかに行ってしまうという会社が多い中、ソニーは唯一と行ってもいい技術者がトップに立てた会社だった。


そんなおやじがソニーに見切りをつけるきっかけとなったのが、ウォークマン用のソフトCONNECT Playerの酷さを体験してからだった。これはいまだにソニー史上最悪の音楽ソフトと言われ(てるらしい)、改良されること無く消えていった。

このソフトの酷さは、あちこちで書かれていたので知っている人も多いかもしれないが、酷いのはソフトだけじゃなくサポートもかなり酷いものだった。そんなことも分からないのかと言うような態度が見え見えの対応のうえ、間違ったことを教えると言う最悪のサポートだった。


ソニーはいつの間にこんな酷いメーカーいあったのかと驚きを禁じえなかった。


そう感じてから、冷静になってみてみるといろんな商品が、ソニーじゃなきゃいけない決定的な商品は何も無かった。かってはソニーの製品はほかとはちょっと違う高度な技術が詰め込まれた商品であった。しかし、もうそんな商品は見当たらなかった。

TVもかってのトリニトロンのような技術のすばらしさは何も無かった。他のメーカーよりぬきんでた技術は何も無かった。


一気にソニーに対する愛情はなくなってしまった。以前は前述したようにいろんなものがソニー製品だったが、今はMDウォークマンとメモリーウォークマンの2つしか持っているものは無くなった。


そんな熱狂的ともいえるソニーファンのおやじがソニー離れするんだから、得にソニーに思い入れの無い人たちがソニー製品を買う理由は何も無いと言っても良いだろう。


ソニーが再生できるかどうかは、やっぱり技術的なもので差別化するしかないと思うな(当たり前の子と言ってごめんね)。価格では、韓国製のものにはどうがんばっても勝てない。


とりあえずTVで考えてみると、それほどの売りが無い。綺麗さとか映像のスムーズさとかは他のところと代わりは無く、好き嫌いで済まされるくらいの違いしかない。


では、どういう機能をつけるべきか?


おやじが考えるに、多機能はいらないと思う。今のテレビはいろんな機能がついてるが全部を使いこなす人なんてまれだろう。ただでついてるわけではなく、それも価格に反映されてるはずだ。


高級化イコール多機能ではまったく無いと思う。

今の高齢者にとっては高級化イコール操作が簡単と言うことではないだろうか。


家電メーカーは若者をターゲットに商品開発しているが、若者のTV離れは言われて久しい。そんな若者がTVに高い金を出す事はないと思う。だから、若者しか使いこなせないような機能を満載にして価格上げても、そんな商品はどこにもフィットしない。したがって売れるはずも無く韓国メーカーに勝てないのは当然である。


操作が簡単だったり、弱者にやさしいTVを開発することがこれからの日本のメーカーの生きる道だと思う。

声だけで操作できたり、字幕が出たり、点字のリモコンがオプションにあったりとかそういう簡単なやさしいTVがこれから売れるのではないだろう。


実際、地デジになってからBSに迷い込んで出られなくなっている高齢者をたくさん見かける。地デジとBSはザッピングだけでは移行できないからだ。

あれを、とりあえず地デジ→BS→地デジとザッピングで移行できるようにすると、楽になるのではないか。

いつも見ている番組にたどり着けないで、見なくなってしまっている高齢者はおやじの周りを見る限り少なくない気がする。

日本人は気配りの民族だと言われているが、今の家電には気配りなど皆無でただ高機能イコール高価格を追い求めているだけだ。


技術のソニーならではの操作が容易な(他国が容易にまねできないような)TVなどを作ることが、再生への道ではないか。