アリゾナ州フラッグスタッフを出発した後、3日間はほとんど同じような日を過ごした。

 

朝7時頃に起き、8時頃出発。3日目からは車の旅の無事を祈って、毎朝出発前に朝日に向かって手を合わせるようになった。一日目と二日目の少しハラハラする運転が心に堪えたらしい。苦笑

 

アリゾナ州は路面の状態が良くなかったが、その後ニューメキシコ州、テキサス州、オクラホマ州、アーカンソー州と西に進むにつれて、どんどん走りやすくなり、最高速度も65マイル(105キロ)に戻った。安心のドライブである。またニューメキシコ州までは乾いた荒地だった風景にも変化が現れ、アーカンソー州に入る頃には美しい森林になった。

 

一度車に乗ると、腹が空いたときにハイウェイ沿いにある売店に入って簡単な食料を調達する以外は、寄り道することなく、ずっと運転していた。車にステレオが無かったので、CDプレーヤーと小型スピーカーで音楽を聴いた。二人とも2時間くらい何も話さない時もあった。おかげで毎日1000キロくらい進んだ。

 

↓ニューメキシコ州の乾いた大地

 

 

また、3日目以降も、判で押したように、その土地にある毎晩モーテル6に宿泊し、中華レストランで詰め放題の弁当をテイクアウトし、コンビニでビールを買って、部屋で食べた。ただ、少しずつ物価が値上がりした。ただ、アーカンソー州の中華レストランでは、店のおばさんが、若くて貧乏そうな僕らを哀れんだのか、たくさん詰めて行きなさいねと笑顔で励ましてくれた。20年以上経った今でも良く憶えている。

 

アーカンソー州の東隣のテネシー州に入ると、言語が変わった。もちろん英語ではあるのであるが、ガソリンスタンドに立ち寄った際、従業員の気の良い兄ちゃんがあきらかに南部なまりであった。アラバマ州を舞台としていた映画「フォレストガンプ」の登場人物たちと同じような喋り方をしていた。アメリカも大きいなと思った。

 

(つづく)