スーダン・サワキンのユースホステルに一週間ほど滞在し、風邪から回復してきた頃、首都ハルツームへバスで移動。

サワキンを早朝に出発。幹線道路であることから路は悪くない。まっ平の乾いた大地をひたすら爆走し、約20時間後の未明にハルツームのバスターミナルに到着した。

 

↓バスの窓から見た夕日

 

私がスーダンを旅した当時は南スーダンが独立する以前でもあり、スーダンはアフリカで最大の面積を持つ国であった。サワキンからハルツームまで長いこと走った気がするが、地図で見ると国の北西部をちょこっと移動しただけであることがわかる。アフリカ全体から見るとさらにちっぽけである。アフリカは大きい。

 

↓スーダンの地図                    ↓アフリカの地図

  

 

ハルツームではユースホステルに滞在。未明に到着し、2段ベッドが5-6台ある広々としたドミトリーに案内される。電気を点けず暗闇の中であったが、ベッドわきにザックが立てかけてあったり、旅の荷物が散乱していたり、何名かバックパッカーが滞在していそうな気配がうかがえた。夜が明けると、やはり3-4名ほどバックパッカーがいて、その中に、南アフリカから陸続きで北上してここまでやってきたという、私より3-4歳年上の日本人のバックパッカーがいた。ちょうど私は陸続きでケニアまで南下しようとしていたところだったので、いろいろ情報を入手することができて大変ありがたかった。

ちなみに、私の中では、他のバックパッカーと情報交換するとき、お決まりの確認項目というのがあって、それはまず当該の国の治安と物価。次にビザの取りやすさである。これらを聞いて行くか行かないか決める。行くと決めると、交通手段とその値段・所要時間・快適さ(過酷さ)、さらに安宿と食堂などを確認して、具体的な旅程を決める。そして最後に通貨の両替レートである。銀行ではなく街で(というか路上で)両替すると、銀行のような面倒もなくレートも良いことが多い。ただ、レートは交渉次第の部分も大きいため、しっかり相場を知っておくことが大事である。私はこのあたりの情報収集が比較的周到で、この旅の序盤のインドにいた時から、中東・アフリカの自分が行く可能性のある国の情報はほぼ入手していて、さらに旅行者に出会う旅にその情報をアップデートし、すべて頭に入れた。そのうち他のバックパッカーになにかと尋ねられるようになり、その情報量に感心されたこともよくあった。私としては収集せずにおれない情報だったので、自然に頭に入ってきた感じである。

 

ハルツームでは、次に訪れるエリトリアのビザを取得したほか、一週間滞在して歩き回ったものの、あまり観光らしい観光はしなかった。歩き回った成果として、ハルツームの農林水産省にある職員食堂が誰でも使えることを発見した。ハルツームの物価は最貧国の割に決して安くなかったが、ここで、なかなか美味しい魚の唐揚げ定食を比較的安価で食べられることを知った。私は少しでも生臭い魚は食べられないが、ここの唐揚げは大丈夫。スーダンの官僚たちに囲まれて、久しぶりに美味しい魚料理を食べた。なんの魚かは分からなかったが、きっとハルツームにも流れるナイル川で採れた川魚であろう。(ちなみに、6600キロにも及び世界最長の河川であるナイル川は、白ナイル(タンザニアなど)と青ナイル(エチオピア)という二つの源流をもち、ここハルツームで合流する)。

 

ハルツームから、次の目的地であるエリトリアの首都アスマラまではバスを乗り換えながら越境する2泊3日の旅である。途中から路がかなり悪くなり若干過酷な旅と聞いていた。しっかり英気を養ってから出発。ちなみにエリトリアの次はエチオピアを経由して、ケニアの首都ナイロビまで、ここから一カ月半あまりは旅のクライマックスといえるやや厳しくも印象深い行程となり、ハルツームからアスマラまではその前哨戦といえる位置づけだ。

 

(つづく)