新婚生活が始まって、あの男が会社から帰ってくるのが毎日本当に嫌で嫌で仕方ありませんでした。
普通ならまだ新婚のうちはまだ何があってもラブラブな状態のはずが、うちはいったい・・・と一人でよく思っていました。
本来安らぐはずの家の中が一番の恐怖の場所になっていました。
一分でも一秒でも遅く帰ってきてほしい。
そう願う毎日でした。
飲みに行くなんていう日は、もちろん快諾して、帰りが遅くなるのを一人で喜んでいました。
結婚当時のあの男の仕事は、昼の仕事の他に週に数回、夜勤がある仕事でした。
その夜勤の日がどれだけ待ち遠しく嬉しかった事か・・・。
でもその仕事柄、睡眠不足も手伝って元々キレやすい性格が更にキレやすくなっていました。
会社でため込んできたストレスを家に帰ってきて私に向かって大発散。
「死ね」が口癖。舌打ちの嵐。本当に頭がおかしくなりそうでした。
向こうから私に何か話しかけてきて、私が口を開いた途端すぐキレてチンピラ口調で私に怒鳴り散らす。
もちろん無視なんてしたらもっとひどい事に。
その当時はまだ若かったし自分が発散したいだけなので、会話の内容は関係なく、とにかく私が何を言ってもキレていました。
私が間違っていないと思って言い返そうものなら100倍にして返してくるので、ばかばかしくて我慢する方がマシなので言い返さずに耐えていました。
そうやって怒鳴り散らして本人はスッキリ。
その後は何も無かったかの様に接してくる。
私はそれが更に頭にきました。どうせならずっと口を利かない方が全然マシでした。
そのくせ、機嫌のいい時には好きだ好きだとベタベタしてきて、おまえは俺のもんだと私に対する執着が物凄くて大変でした。
私は新婚にして、その男の事はもう気持ち悪いとしか思えませんでした。
別れたかったけど、まだ結婚したばかりだし何より親に心配をかけたくなくてとにかく頑張っていました。
こんな時、誰かに話したり相談したり出来れば少しは良かったんですが、私は昔から人から相談はよくされるのに自分から親や友達に相談する事が何故か出来ませんでした。
ある日、あまりにも毎日キレられるので、一度だけ
「どうして大事にするべき家族に対してそんなに酷いストレスの発散をするの?」 と言ったことがあります。
返ってきた言葉は
「おまえ(家族)に発散しないでどこに発散するんだよ!!」
・・・。
この言葉を聞いて、もうこの人は何を言っても無駄だなとあきらめました。
あの男には妹がいます。私の2歳下です。
結婚前にその妹が、あの男(兄)の事をとても嫌っていて、いつも「なんで皆あいつの性格の悪さわからないんだろう。あんな男早く死ねばいい」と言っていました。
その時は、ただ兄妹だから何となく冗談でそう言っているのかと思っていたんですが、結婚してみてそれがどれだけ本気の発言だったのか良く分かりました。
身内にしかわからないあの男の卑劣さ。
この先ずっとこれが続くのかと思うと希望なんて何一つ持てませんでした。