——姫クマ子のために、俺は飲み会を断る!
そう心に決めた勇者サメ氏、飲み会モンスター討伐クエストが始まる!
🔷同期ナイト団の「うまい話」
時は令和。
かつて魔王を倒し、数々の試練を乗り越えてきた勇者サメ氏。しかし、彼は今、新たな戦いに直面していた。
「飲み会、行こうぜ!」
それは突然のLINE通知だった。
同期ナイト団からの猛攻である。
「勇者サメ氏よ、ついに子を授かったそうじゃないか! ならばこれは祝杯のチャンス!」
「寿司、焼肉、酒、すべて俺たちが奢ろう! さあ、来るのだ!」
(……寿司!?)
サメ氏はぐっと拳を握りしめた。
腹の中では、マグロとウニが激しく戦っている。しかし、彼は思い出した。
——姫(妻)は現在、妊娠中。今の俺の使命は、飲み会ではなく、姫のサポート!
サメ氏「すまん、姫のために今日は行けない……!」
「むむむ、そうか……ならばせめてUberで寿司を送るが?」
(なんて手強いんだ、同期ナイト団!!)
誘惑に耐えながらも、サメ氏は何とか断ることに成功した。
🔷魔王(上司)の圧力
翌日——。
「勇者サメ氏、お主、最近飲みに来ぬのう?」
突如として現れたのは、魔王(上司)である。
「部下たちとの結束を固めるのも勇者の務め……断る理由はないな?」
(ぐっ……!)
確かに、上司の誘いを断るのは、社会人にとっては死活問題。しかし、ここで流されるわけにはいかない!
「申し訳ありません! ただいま姫の体調管理が最優先で……!」
「……ほう?」
魔王はニヤリと笑った。
「ならば、オンライン飲み会という手もあるが?」
(なんと……遠隔攻撃!?)
しかし、サメ氏は気づいた。オンラインならば、途中で「姫が呼んでるので!」とフェードアウトできる!
サメ氏「オンラインなら……少しだけ!」
こうして、勇者サメ氏はうまく魔王の罠を回避したのであった。
最後に立ちはだかったのは、サメ氏の親友・豪腕ゴリラ男だった。
ゴリラ男「なあ、勇者サメ氏……お前、最近ちゃんと息抜きしてるか?」
サメ氏「えっ?」
ゴリラ男「確かに、姫のために頑張るのは大事だ。でも、お前が倒れたら意味ないだろ?」
(ぐっ……! なんて正論!!)
ゴリラ男「軽く飲んで、1時間で帰るのはどうだ?」
サメ氏は震えた。これは巧妙な罠だ。
「1時間だけ」のはずが、いつの間にか「3時間」、そして「終電逃したからもう1軒」へと進化するのが飲み会の怖さ。
サメ氏「……でもな、ゴリラ男よ。俺は決めたんだ。姫と子供を最優先にするって!」
ゴリラ男は目を見開き、そして豪快に笑った。
「ははは! さすが勇者サメ氏! よし、じゃあお前が落ち着いたら焼肉フルコースを奢るから、絶対来いよな!」
(……待て、それはそれで強力な誘惑では!?)
🔷勇者の決意
こうして、サメ氏は次々と襲いかかる宴の誘惑を断ち切り、ついに「姫のために飲み会を断る」クエストを達成した。
夜、姫が眠る隣で、サメ氏は静かに呟いた。
「俺の選択は……間違ってなかったよな……」
すると、眠っていたはずの姫が微笑みながら囁いた。
「もちろんよ、勇者サメ氏。……でもね?」
「今度のイタリアン、私も行くから」
サメ氏「!?!?」
——勇者サメ氏の戦いは、まだ終わらない。
次回、出産病院での初検診!勇者サメ氏、終わりなき待機戦争に挑む! へ続く!