目が見えてゴハンを食べることができて朝日がきれいと思えて
お母さんと呼ぶ声を聞くことができる。
なあにと返事をして娘をこの腕で抱きしめることができる。
生きることがつらいとか、
乗り越えられないとか言いながら泣いてみたあとに、
試しにさっき抱いたやわらかな感情に黒い絵の具を塗って見えなくしてみた。
こわくなった。
こわくてこわくてたまらなくなった。
くだらない事で泣き真似していないで、夕飯の買い物に行こうと思った。
外に出ればとても眩しい。
逃げ場を探したくなる。
わたしの本質やきたない部分をあらわにしてしまうようで。
ひかりは、影と共にある いやひかりは闇だ。相変わらず自分でも意味がわからない。
そんなこと思いながらぼんやり空を眺めれば、すれ違うおばさんの日傘が顔に直撃し、ぶふぉっとなる。
スーパー寒っ
節電節電キャンペーンに踊らされる中、堂々と寒っ
ビールをカゴに入れた。
ああ、わたし生きる気まんまんじゃないか。
あとは体にいいものを買おう。
もうすぐ娘が帰ってくる。
小刻みに踊るようにレジを打ついつものお姉さんからお釣りを受け取り
小走りで帰る。
バスがきた。
バスから娘が笑顔で降りてくる。
抱っこしたらキスをくれた。
あの人みたくおシャレに生きられないけど、
あの人みたくお金いっぱいないけど、
やっぱりお母さん、すごく幸せだ。