青い空と
真っ白い大きな入道雲の下で、
額の汗も、うだる暑さも忘れて、君は虫を追う。
どんどん小さくなる後ろ姿。
時々振り返る笑顔に大きく手を振ると、
君は両手を挙げて応える。
黄色い落ち葉を踏むたびに、
君は驚いた表情を見せる。
一歩、ゆっくりとまた一歩進めば、
ひとつの季節を彩って終えた、木葉の最後の音色が聴こえる。
黄色と橙のじゅうたんの上を、
寂しげで、少しひんやりした空気に包まれながら進む。
頬を赤く染めながら、
君が白い息をはく。
純白の世界に在るのはただ、
君と私。
君はこれから、どんな色に染められていくのだろう。
真っ白く続く道につく小さな足跡に、
君の未来を思い、かさねる。
薄いピンクの満開の桜。
いちばん低い枝に君の手が届くと、
背が伸びたと嬉しそうに笑った。
抱きしめたら、
すり抜けた。
桜吹雪になって空に消えた。
いろんな色の季節が巡るたびに、
大きくなった君を思い、
君の影を追いかけて、
私は歩く。
目を閉じれば君に会える。
壊れそうに柔らかく、
小さな小さな手が、
私を包んだ。