修行に入る前に、髪の毛なんとかしなくちゃ。
こんな頭じゃ新年迎えられないわ。
歩いてすぐのサロンに向かう。
思い切って、いちばん小さいロットのパーマネントお願いした。
座った途端に、もよおす。
は?
は?
さっき出したのに…
なぜだよ膀胱…
がんばれ膀胱!
ほら、巻巻してる。
耐えろ膀胱!
いや、ロット二百本とか言ってたし、ぜってー無理。
でも、トイレいーですか…?
なんて、言えるはずない。
平成生まれの可愛いシャンプーボーイに言えるはずない。
シャンプーボーイ、
レーシック受けたなんて言ってたけど、
わたしの開ききった毛穴見えてるかしら?
もう限界よ。
『あの、おててあらい…』
シャンプーボーイ、勢いよくわたしのてるてる坊主みたいのを外した。
オ.レー!っのマントみたいだ。
『ご案内します!!こちらへ!』
案内される。
いーのに。あそこだよって教えてくれたら自分でゆくのに。
はずかしい…
みんなみてる…気がする…
可愛いシャンプーボーイは、
トイレのドア全開にして天使の笑顔で、
『ごゆっくりどうぞ!!』
ごゆっくりしないしない。
すっきり顔で席に戻り
何事もなかったように巻巻が始まる。
さっき膀胱にエール送ってた時に出された冷めたコーヒーを一気に飲んだ。
五分でもよおした。
いくらわたすでも二度はいけません。
耐えよう。
会話が入ってこない。
全神経が膀胱に集まる。
今、何らかの何らかが起きてここから脱出しなきゃならなくなったら、
わたしは頭に二百本のロットを乗せ、もらしながらの全力疾走なのだろうか。
そんなことを考えながら、
薬!
いつもの倍の早さで染みこめ!
と、念をおくった。
念が通じた。
終わった!
よし。
鏡に映るのはサイババか?
よし。
レジまで普通に歩いた。
ばい!シャンプーボーイ!
はじける果汁の笑顔で店を出ると、私はただ目指す一点を見つめ歩く競歩の選手になった。
サイババ、奇跡的な、そして感動のゴールとなった。