
ここんとこは、朝まだ寝ている娘をしつこく抱きしめる。
無意識にめっちゃ涙が出る。
いろんなこと思い浮かべる。
そうちゃんの入院から、
つらい思いばかりしてきたしえのこと。
そうちゃんへの視点からずらしてみたら、しえのがんばりがとても愛しい。
感染の懸念から、しえはそうちゃんの部屋には入れなかった。
いつも大泣きして床に転がるしえをふりきってそうちゃんの所に向かった。
私がハゲたのは、後ろ髪引かれすぎてだ。
そうちゃんのとこからマッハでしえを迎えにいくと、
頭はボサボサ、顔は涙と鼻水の跡がついてそりゃもう汚い。
そして愛しい。
保育園が休みの日は、
親類に預けた。
病院の入口でバイバイすると、
病院中に泣き声が響き渡る。
もう私の後頭部に生える毛はない。
しえは、夜中、足から流血するほど暴れて手がつけられなかった。
あまりの泣き声に通報されても困るので、
よく海沿いをドライブした。
何時間も。
よく、二人で朝日を見た。
海に浮かぶ太陽、きれいだったね。
コンビニで朝ごはん買って、
海見ながら食べた。
車中暴れて色んなもんぶっ壊した。
運転すれば壊れた部分が目に入る。
切なくて、あの頃に戻る。
私がそうちゃんでいっぱいだったから、
普通じゃない空気読み取ったから、
しえはいちばん親に甘えたい時期に我慢をして、
自分を抑えて、
心と体が限界を超えた。
今は、夜中暴れる事もない。
幼稚園に、笑顔で通う。
手を振り前を向く。
振り返らずに歩く後ろ姿が誇らしい。
こんな小さな背中にどんだけ重いもん背負わせてたのかと、
自分が恥ずかしくなる。
それほど、しえは強くなった。
たくましくなった。
とてもとても優しい心を持つお姉さんになった。
私を求めて泣きじゃくるしえは、もういない。
時々、毎日生きる事を頑張ったあの部屋を、しえと見に行きます。
そこには、偶然にも色も形も全く同じ車が置いてあります。
その風景はより一層、嵐の様な日々を思い起こさせます。
ありがとう、しえ。
いとしいしえ。
