昨日の新聞記事に引き続いて、今日もまた、朝日新聞の記事を引用しながら、ヤングケアラーの支援について考えてみたいと思います。

 

今回、取材に応じてくれたのは14歳のルーシーさんです。

昨年9月に亡くなった父親は自閉症で、メンタルヘルスに問題があり、6歳の頃から母を手助けするようになったそうです。

父親は大きな音や明るい環境が苦手でパニックになったりするので、話しかけても大丈夫か様子をうかがい、常に気が張り詰めていたといいます。

 

そんなルーシーさんに、小学校側が気づき、支援団体のSYCを紹介してくれたそうです。SYCには20人のスタッフがいて、学校などから情報提供を受け、個人面談を数回行い、自身の置かれた状況や必要な支援について話し合います。さらに、グループ活動に参加したり、長期休暇には旅行やイベントもあり、12歳以上の希望者は社会へ発信する「アクショングループ活動」にも関われるといいます。

また、SYCは外部のさまざまな団体ともつながっているので、悩みを相談できるカウンセリングを無料で受けられたことも、ルーシーさんにはありがたかったようです。

 

父親が苦しんでいたら、自分でどうにかしないといけないと精神的な負担を感じていましたが、上記のようなさまざまな集中サポートを受ける過程で、ルーシーさんは、「子どもとして楽しむ時間」を持てるようになり、「ケアの気遣いから解放されて、ありのままの自分になれる」、「父親が苦しんでいたら、自分でどうにかしないといけないと精神的な負担を感じていたが、ヤングケアラーであることは恥ずかしいことではない。隠して心配するより生きやすくなる」と述べたそうです。

 

なお、SYCの財源は慈善団体からの助成金が最も多く、地方自治と国からの補助金、寄付などで支えられているといいます。

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日本から見れば進んでいるように見えるイギリスのヤングケアラー支援も、まだまだ十分ではないようですが、日本が参考にできる部分は多いはずです。

一日も早く具体的な支援が動き出すことが急務だと思います。