2022年4月に「ヤングケアラー支援強化事業実施要項」が定められ、その運営の担い手は自治体に委ねられるということで、それぞれの自治体でその動きが活発化するのではないかと期待していました。

ところが、その動きは鈍く、これでは実際に大変な思いをしているヤングケアラーに支援が届くのは、ずっと先にならざるを得ないと思っていました。

 

そんな中で、先日、読売新聞の記事で東京都府中市が日本財団と提携を結び、ヤングケアラーの支援に乗り出すことを知りました。2023年4月から2026年3月までモデル事業を実施するとありました。

府中市と一般社団法人「ケアラーワークス」が日本財団の助成金を受けて始めるとのことでした。

 

特に、2024年以降は①「みつける」、②「つなげる」、③「支援する」を掲げていて、①では児童、生徒、教職員、福祉サービス事業者、民間団体の実態調査を行う、②ではケアラーワークスおよび府中市のヤングケアラーコーデイネーター3名が市内の多様な機関と連携を図りながら、ヤングケアラーとその家庭の相談支援を行う。③自治体職員、教育、福祉や医療等の関係機関に対して、ヤングケアラーの理解を深め、支援のありかたについての研修を実施する。

 

上記について、私はヤングケアラーへの支援が具体的に明示されていることに希望を感じました。

 

つまり、自分からは容易に名乗り出ることのないヤングケアラーについて、最も気づきやすいのは担任の先生やスクールカウンセラーだと思いますし(欠席、遅刻、不登校、宿題の忘れ、授業中の居眠り、疲労感、元気のなさなど)、先生の方から察して生徒と話し合い、行政につなげていけば、スムースに支援が受けられるようになると思うからです。

以前、記事にしたイギリスの「ヤングケアラー支援」もそんな感じでした。

 

この取り組みが府中市だけでなく、東京都の各自治体、そして全国に拡大していくことを願ってやみません。

 

介護保険も当初は行政の世話になることに抵抗を感じる人も多かったといいます。

けれど、今はそれが広く周知され、身近なものになっています。

「ヤングケアラーの支援」についても、ケアラー自身やその家族が当たり前の権利として受け取り、将来に希望を持てるようになればいい、と願っています。

介護保険と同様に、自治体がヤングケアラー支援の母体になり、市内の事業所と連携を取りながら、ヘルパーを派遣したり、学習支援が必要なケアラーには、無料塾や低額の学習塾を紹介すればいいように思います。

 

国の将来を担っていくのは子どもたちです。

その子どもたちが安心できる環境で健やかに成長していくことが、少子高齢社会の日本にとって最も大切なことだと思っています。

その責任は私たち大人にあるのですから。

 

ヤングケアラーのあなたは、「一人ではない。味方はきっといる」と信じて、行動してほしいと思います。

 

おせっかいおばさんの「ヤングケアラー相談窓口」(東京)