タスマニアのヴィパッサナ瞑想センターで、1か月くらいお手伝いをしていました。
そこで、めちゃくちゃイライラしたことがありました。
一緒に働いていたインド人の女の子。
彼女はコックで、料理を作るのが好き。
そして……
マジで料理がうまい。
ほんまにうまい。
でも。
料理を作ったら、自分の部屋に帰る。
寝てるんかなんなんか知らんけど。
他のみんなは朝から夜まで、それぞれの仕事をしてる。
私も、落ち葉を拾って、集めて、運んで……
ずーーーっとやってました。
それがめっちゃしんどい日もある。
なのに彼女は料理しかしない。
マジでせえへん。
外に出て、途中で会っても、手伝おうともしない。
もう……
見るだけでイライラする。
「なんで?」
「なんで私ばっかり?」
「なんであの人は何もせえへんの?」
ずっと思ってました。
でも、あるとき思ったんです。
あの人が何をするかは、あの人のこと。
それより、
「私はこのヴィパッサナセンターのために、何ができるんやろ?」
って。
そう考えたら、不思議と、
「誰がやってる」とか、
「なんで私ばっかり」とか、
そういうことが気にならなくなってきた。
もっと綺麗にしよう。
ここ、直したらいいんちゃう?
これもやってみよう。
そんなふうに、素直に思えるようになった。
そのきっかけの一つが、Allyという一緒にお手伝いしていた人でした。
一緒に作業することがあって、あるとき彼が、
「みんながハッピーだったら、僕もハッピー。」
みたいなことを言った。
「あなたがハッピーなら、僕もハッピー。」
そういう考え方。
私は、
「そんな考え方あるんか……」
って思った。
私は小さい頃から、
「こうやれ」
「これやりなさい」
って言われて、
「はいはい……」
って、いやいややってきたような感覚があった。
でも、
「この施設のために私は何ができるんやろ?」
って考えたら、
誰がやってるとか関係なく、
「もっとここを綺麗にしたい」
って自然に思えた。
「みんなの役に立ってる」
「みんながハッピー」
それが自分の幸せにもなる。
うわ、すごい。
って思った。
そして、
「なんで私はこんなにちっちゃいんやろ。」
って思った。
そして、もう一つ。
Cassandraという女の子が、シリアルを持っていました。
私はそれを、ヴィパッサナセンターのものやと思って……
ほとんど食べてしまった。
だって、めっちゃ美味しかったんやもん。笑
あとからCassandraが来て、
「え、もしかしてこれCassandraの?」
って聞いたら、
「そうだよ」
って。
「ごめん!ほとんど食べちゃった!」
って謝った。
そしたらCassandraが何て言ったと思います?
「あなたとこれをシェアできて嬉しいよ。」
って。
「だから謝らなくていいよ」って。
え……
待って。
そんなこと言う!?
日本におったら、
「なんで勝手に食べたん!?」
って怒られるやつちゃうん?笑
でもCassandraは、
「シェアできて嬉しい」
って言った。
私はもう、めちゃくちゃ感動した。
「なんてこの人、いい人なんや……」
って。
そして、また別の日。
みんなで出かけることになった。
でも私は節約していて、みんなと一緒にご飯を食べるお金がなかった。
だから、
「私は外で待ってるわ」
って言った。
そしたらAllyが、
「僕は一緒に過ごしたい。」
って。
「僕が出すよ。」
って言ってくれた。
そのとき、ハッとした。
私って、
「お金がない」
「節約しなきゃ」
って、いつもお金のことばっかり考えてたんや。
「一緒に過ごしたい」
なんて、全然考えてなかった。
でもAllyは、
お金より、
「一緒に過ごす時間」
を大切にしてくれた。
人と一緒にいること。
同じ時間を過ごすこと。
人とのつながり。
それって、こんなに大事なんや。
そう思った。
そして、英語でも同じようなことがあった。
みんなが英語でワイワイ話している。
私は何を話しているのか、よく分からない。
だから、
「私、蚊帳の外にいるみたい……」
って感じることがあった。
そんなとき、私はChatGPTにも相談した。
「どうしたらいいんやろ?」
って。
でも、そこで気づいた。
全部の会話を理解できなくても、
相槌を打ったり、
一緒に笑ったり、
ただ同じ空間にいたり。
それだけでもいいんちゃう?
一緒の空間にいること自体に意味があるんちゃう?
って。
こんなこともあった。
デイオフの日。
おばあちゃんが来て、
「If you want, I can teach you the work.」
と言われた。
「もしやりたかったら、仕事を教えるよ」
という意味。
でも私は、
「If you wantって言ってるけど……」
「それって結局、仕事やれってことちゃうん?」
って感じてしまった。
でも、今思えば、
「やりたかったらね」
「もしよかったらね」
くらいのことだったのかもしれない。
私は英語がまだ十分に分からないから、
相手の言葉そのものだけじゃなくて、
自分の中で勝手に意味をつけて、勝手に傷ついたり、構えたりしていた。
そんなこともあった。
そして、ヴィパッサナの10日間の瞑想コース。
ここで、私はもっと大きなことに気づいた。
怒ったり。
イライラしたり。
人を憎んだり。
嫌ったり。
そういう感情を持つことは、
結局、一番最初に自分を苦しめてるんや。
そんなこと、頭では聞いたことがあった。
でも私は、全然分かってなかった。
私は母親のことが嫌で嫌で仕方なかった。
でも、10日間の瞑想の中で、
あることに気づいた。
私は、
母親との楽しかった思い出や、美しい思い出まで消し去っていた。
「嫌い」という気持ちが強すぎて、
その人との幸せだった時間まで、
自分の中からなくしていた。
そして、ふと思い出した。
私、
お母さんのこと、めっちゃ大好きやったやん。
愛おしかった。
一緒にいて楽しかった。
そんな気持ちまで、私は忘れていた。
そのとき、
「ああ……これか。」
って思った。
CassandraやAllyが教えてくれたこと。
みんながハッピーなら、自分もハッピー。
シェアできて嬉しい。
一緒に過ごしたい。
そしてヴィパッサナで気づいたこと。
人を憎んだり、嫌ったりすることで、
最初に傷つくのは自分。
全部、つながっている気がした。
私は昔、
「自分をご機嫌にする」
という自己啓発の本を読んだことがあった。
そのときは、
「ふーん」
くらいにしか思ってなかった。
でも今なら、ちょっと分かる。
自分をご機嫌にするって、
ただ自分の好きなものを食べたり、
好きな場所に行ったりすることだけじゃないのかもしれない。
人を憎まない。
人を嫌わない。
人と比べない。
「なんで私ばっかり」と思い続けない。
誰かがハッピーなら、自分も嬉しい。
誰かと一緒に過ごせることを、大切にする。
そして、
「私はこの場所のために何ができるんやろ?」
って考える。
そうすると、
なんか自然と自分も幸せになる。
タスマニアで、
私は仕事をしに行ったつもりやった。
でも、実際には、
人との関わり方を教えてもらっていたのかもしれない。
「なんであの人はやらへんの?」
ってイライラしていた私が、
「私は何ができるんやろ?」
って考えるようになった。
「お金がないから外で待つ」
だった私が、
「一緒に過ごす時間って大事なんや」
と知った。
「英語が分からないから蚊帳の外」
だった私が、
「分からなくても、同じ空間にいることに意味がある」
と思えるようになった。
そして、
人を嫌うことで一番苦しんでいたのは、
誰でもない、自分自身だった。
タスマニアで出会った人たちから、
私はたくさんのことを教えてもらった。
まだまだ全然できてへんけど。
これからは、
「誰が何をしてるか」より、
「私は何ができる?」
を考えられる人になりたい。
そして、
自分も、周りの人も、みんながハッピーでいられるように。
そんなふうに生きられたら、
なんかめっちゃ幸せやなと思う。



