・監督(Réžia)
ヨゼフ・ゼマン(Josef Zeman)
・脚本(Hudba)
ヨゼフ・セドラーシュ(Josef Sedlář)
・スタジオ(Štúdio)
ゴットヴァルドフ映画スタジオ(Filmové Studio Gottwaldov)
・放送年(Vysielanie)
1978~1983年
・話数
7話
・1話分の時間の長さ(Dĺžka časti)
8分(minút)
・資料
Marcelko a dedko Bonifác (TV seriál) (1978) | ČSFD.cz
Marcelko a dedko Bonifác - Wikipédia Slovenčina
http://www.youtube.com/watch?v=jt7Mr_vNKrg
意思を持った自動車、マルツェルコと、
マルツェルコを所有するボニファーツ爺さんのお話。
このアニメが制作された当時は、チェコとスロヴァキアは合体していて、
「チェコスロヴァキア」という名で呼ばれていました。
当時(私が子供の頃)は、
これらの国の政治的状況などよく知るわけもなく、
似た者同士が合体した国であるとは思っていませんでした。
チェコとスロヴァキアは、言語的に近似しており、
フィンランドとエストニア、ラトヴィアとリトアニア、スペインとポルトガル、
日本語とウチナーグチ(沖縄語)の関係に近い。
映像の字幕にも出てきますけど、このアニメは
「チェコスロヴァキアテレビのブラチスラヴァ局」
が著作権を所有という事になっている上、
言語がスロヴァキア語なので、
敢えて「スロヴァキアのアニメ」と紹介します。
スタジオがチェコのズリーン(Zlín)にある上、
名前からしてチェコ人と思われる人もスタッフとして関わってはいるので、
紛らわしいところはありますが。
(ズリーンは、1949~1990年まで、
ゴットヴァルドフと呼ばれていたそうです)
意思を持った自動車と人間との関係を描いたアニメと言えば、
日本では『ヘーイ!ブンブー』(1984)や、
『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』(1983)に出てくるバギーちゃん
などを彷彿とさせますが、他にも、マニアックなものでは、
Moo念平氏による『宅配ビンちゃん』(1999-2000)
という漫画もあります。
この漫画、「赤旗」日曜版に連載されていたそうですが、
何故、こんな或る特定の思想的な新聞に連載されていたのでしょうか?
今話題の『はだしのゲン』もそうでしたっけ?
週刊少年ジャンプから共産党系の機関紙『文化評論』に移籍して
連載を継続させていたそうですが、
こちら によれば、赤旗日曜版にも掲載されていたそうで。
他には、JRが運営するレンタカー『トレン太くん』のマスコットや、
(いや、トレン太くんは違うよな・・・)
http://www.youtube.com/watch?v=1W7Nfh1K-kM
実写では『ナイトライダー』(Knight Rider)もありました。
(懐かしい、子供の頃見てました!!)
http://www.youtube.com/watch?v=Mo8Qls0HnWo
話を戻します。
この世界の自動車は、マルツェルコだけではなく、
皆意思を持っているという設定のようです。
また、全話は見ていないのですが、幾つか見た話だけでも、
中々ユニークなアイデアに富んでいるのが分かりました。
例えば、飛行機にもなったり、潜水艦にもなったり、
座席部分がバネになっていたり。
『マッハGoGoGo』のマッハ号や、
『浦安鉄筋家族』の大鉄の乗るタクシーなどを思い出しました。
飛ぶんかいッ!!
潜るんかいッ!!
悪いおじさんをやっつけろ!!
クルマだって、恋したいんですぅ~!!
もぐらのクルテクも友情出演(違うって?)
お食事は、頭の帽子を取ると給油口が現われるので、
そこからするのですが、何と、ガソリンではなく、
「シロップ」がエネルギー源なのです(笑)!!
そういったSF的な設定だけではなく、
話の内容も、子供への情操教育を意識したと思われるもので、
それでいて押し付けがましくないほのぼのした雰囲気で、
しっかりした筋書きで描かれているので、
大人が見ても「イイハナシダナ」と思えるものを感じました。
台詞が無いので、
スロヴァキア語が分からなくても内容が分かるところも、
良いところだと思います。
個人的にはとても面白いと思うので、
もっと日本でも知られて欲しいと思いました。
【関連エントリー】
盗賊ユロシーク(Zbojník Jurošík)1991