香川大学解体新書-トモニHD
握手する香川銀行遠山頭取と徳島銀行柿内頭取




>香川銀・徳島銀、共同持ち株会社、「トモニHD」。


 香川銀行と徳島銀行は14日、来年4月1日に設立する共同持ち株会社の名称を「トモニホールディングス(HD)」に決めたと発表した。両行は新会社の子会社として業務を続ける。新会社の会長には香川銀の遠山誠司頭取(62)、社長兼最高経営責任者(CEO)には徳島銀の柿内慎市頭取(64)が就任する人事も内定した。
 柿内 慎市氏(かきうち・しんいち)67年(昭42年)香川大経卒、徳島銀行入行。91年取締役、97年専務、03年頭取。徳島県出身。
(2010年4月1日就任)

(2009/09/15, 日本経済新聞 朝刊, 7ページ)


>新社名は「トモニHD」/来年統合の香川・徳島銀

香川銀行は14日、徳島銀行(徳島市)との経営統合のため設立する共同持ち株会社の名称を「トモニ ホールディングス(HD)」とし、本社を香川県高松市亀井町の香川銀亀井町ビルに置くと発表した。経営統合日は1月に締結した覚書の通り2010年4月1日。香川銀の遠山誠司頭取(62)が代表権のある会長、徳島銀の柿内慎市頭取(64)が社長兼CEO(最高経営責任者)にそれぞれ就任する。株式の統合比率は1対1の対等とする。両行が14日開催した取締役会でそれぞれ決議、経営統合に関する最終契約書を締結した。11月25日に開催予定の両行の臨時株主総会で承認を得る。

 両頭取は高松市内で記者会見し、遠山頭取は「より良い銀行を目指し、大変換をしようとしているわけで責任感の重さを感じる」と述べた。また、柿内頭取は「3年間で形を作り、結果を出さなければならない」との考えを示した。

 共同持ち株会社の「トモニ」HDの名称は、「地域とともに」や「お客さまとともに」などから取った。両行が「ともに支え合う」の意味も込めた。

 両行株はすべて新設するトモニHDに移転。株式移転比率は香川銀、徳島銀の普通株式1株に対し、いずれもトモニHDの普通株式1株を割り当てる。

 香川銀、徳島銀はトモニHDの傘下に入り、銀行の名称は変更せず、従来通り営業を続ける。両行株は東京証券取引所などの上場が来年3月29日に廃止され、トモニHDが同4月1日に東証に上場する。

 トモニHDの資本金は250億円。取締役は会長、社長を含め計8人で、香川銀と徳島銀から4人ずつの構成とする。

 四国4県が地銀、第二地銀1行ずつの体制になってから、経営統合は初めて。香川、徳島銀の合計の預金残高は2兆2282億円、貸出金残高は1兆8358億円(09年3月末現在)。四国では、預金が地銀4行に続く5位、貸出金が伊予銀、百十四銀に次ぎ3位の金融グループになる。

 両行が経営統合の契約書を締結したことに対して、四国財務局の河野邦明局長は「今後も地域発展を念頭に地域経済を支える経営を進めてほしい」とコメントした。

(四国新聞webより)


>トモニホールディングス(2010年4月1日)

2009/09/16 10:10


▽会長 遠山誠司=香川銀行頭取
▽社長兼CEO 柿内慎市=徳島銀行頭取
▽取締役 吉岡宏美=徳島銀行専務
▽同 下村正治=香川銀行専務
▽同 高橋邦明=香川銀行常務
▽同 山川広一=徳島銀行常務
▽同 福川盛二=香川銀行常務
▽同 玉垣一=徳島銀行取締役
▽監査役 福家哲夫=香川銀行監査役
▽同 原口英毅=徳島銀行監査役
▽同 井上哲=香川銀行監査役



>香川銀と統合「中長期で成果示す」/徳島銀頭取

2009/02/18 09:24


2010年4月をめどに経営統合する徳島銀行の柿内慎市頭取(64)は17日、四国新聞のインタビューに対し、地域経済が縮小していく中で「(経営統合を)やるなら早い方がいいと考えていた」と述べた。統合の成果については「3年、5年後の結果をみないと評価はできない」との考えを示した。(聞き手・福岡茂樹)

 ―経営統合の理由は。

 柿内頭取 徳島県は人口が毎年5000人減少し、貸出金総額は10年間で1950億円減少した。地域経済が縮小する中では、地域を支える役割を果たしつつ、外に向けて成長戦略を構築しなければならない。一方で監督官庁や社会の要請の高度化に伴い、本部人員の比率は高まっている。営業力を外に向けるには規模の拡大により、本部を効率化する必要がある。こうしたことは、どこの銀行の頭取も考えている。

 ―だが、統合の必要性を感じていても決断した銀行はわずかだ。

 柿内 やるのなら早い方がいいと考えた。早く態勢を整備し、前向きに転じるところが勝ち残る。遅れはそれだけマイナスになる。

 ―香川銀行を経営統合の相手にしたのは。

 柿内 経営統合を目的に相手を探していたわけではない。香川銀行は親和性が強く、香川銀行ならば統合してもうまくいくと思って話が進んだ。お互いに隣にちょうどいい組み合わせがあったということだ。

 ―別の地方銀行が統合に参加する可能性は。

 柿内 それは将来の発展形としてあるかもしれないが、こちら側が呼び掛ける話ではない。統合した後の経営の中で検討することであり、今から前提をつくることはできない。

 ―統合のメリットを施策にどう反映させるか。

 柿内 リスク管理や監査部門、グループ戦略を策定する企画部門など本部機能は持ち株会社に一元化し、余力になった人員を営業に充てる。徳島銀行の場合は店舗のある大阪府と兵庫県に人を投入して営業を強化する。新しいエリアに出店するわけではない。また、地方銀行は人材の層が薄いのが課題。若い行員を本部に入れるローテーションが組みやすくなり、人材育成のうえでも有用だ。

 ―顧客のメリットは。

 柿内 まず今までの態勢は変わらないということ。徳島銀行の地元での貸出金シェアは22%。北海道拓殖銀行を引き継いだ北洋銀行を除くと、第二地銀で全国トップだ。それだけ地域で存在感は大きく、お客さまと構築した信頼関係は従来通り維持する。そのために持ち株会社方式にした。

 ―商品やサービスの向上はどうか。

 柿内 経営基盤の強化により、さまざまな金融サービスを幅広く、低コストで提供できるメリットが出てくる。中小企業の取引先に対しては、例えば香川銀行の営業地域の岡山県に進出する際、物件や市場などの情報を提供できる。また、持ち株会社では管理態勢を整備した後、第二弾として商品開発や営業企画を持ち込み共同して取り組む。

 ―経営統合の成果は。

 柿内 統合後、3年から5年ぐらいの結果をみないと、評価はできない。救済型の統合なら資本注入とか不良債権処理とか出てくるだろうが、徳島銀行と香川銀行の場合は、救済型ではない初めての統合。中長期的な成果が目的だ。

 ―香川県では持ち株会社の本社は高松市という見方がもっぱらだが。

 柿内 反対に徳島県では官民を挙げて徳島市にしてほしいと言っている。何にウエートを置くかで本社の位置も変わる。香川銀行の遠山誠司頭取と話をして、社名を含めて統合の本契約の9月までに決める。

 かきうち・しんいち 香川大経済学部卒。1967年徳島銀行。80年10月から82年2月まで引田支店長。91年取締役人事部長、93年常務人事部長、97年専務人事部長、99年専務総合企画本部長を経て、2003年6月から頭取。徳島県阿南市出身。64歳。


>「トモニHD」設立認可/香川・徳島銀1日統合

2010/03/31 09:53 四国新聞



香川大学解体新書-トモニHD
香大同窓の河野財務局長(右端)より認可書を受け取る柿内新社長(中央)


共同持ち株会社「トモニホールディングス(HD)」を設立し経営統合する香川銀行と徳島銀行に対し、四国財務局は30日、トモニHDの設立を認可した。設立は4月1日で、香川・徳島両県を主な地盤に広域展開する地域金融グループが誕生する。地域経済の低迷をはじめ不透明な経営環境の中で、両行は県境を越えた統合により事業基盤を強化することで、地域の金融ニーズに応え持続的な成長を図る。

 香川県高松市中野町の同局で、河野邦明局長から香川銀の遠山誠司頭取、徳島銀の柿内慎市頭取にトモニHDの設立認可書が交付された。遠山頭取は「やっとスタートラインに立った気持ち。全力でダッシュし、将来に向かって今から羽ばたいていきたい」と決意を述べ、柿内頭取は「早く成果を目に見える形で示し、両行が統合して良かったと地域に実感していただける体制を作りたい」と話した。

 河野局長は「両行がより強固な経営基盤や幅広いネットワークを構築し、地域とともに成長する金融グループを形成することにより、地域経済の発展に一層貢献することを期待している」とした。

 香川銀、徳島銀は昨年1月、持ち株会社方式により経営統合することで基本合意し、同9月に正式契約。同11月の両行の臨時株主総会で承認を得た。

 トモニHDの本社は高松市。代表取締役会長に遠山頭取、代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)に柿内頭取が就く。香川銀、徳島銀はトモニHDの傘下に入り、銀行名は変わらず事業を継続する。

 四国4県が地銀、第二地銀1行ずつの体制になってから、経営統合は初めて。同局によると、トモニHDは預金残高が四国4位(2009年12月末時点)、貸出金残高が同3位(同)の規模になる。