さて、それでは次に、四国地区の各大学の最新就職事情について見てみたい。
まず、自由応募が建前の文系学部を見てみよう。他の3大学が規模の大きな複合学部ばかりであることから、香川大学については定員の大きい経済学部を比較対象とした。
それで、各大学の就職先上位10社を列挙したのが下記の表である。
それぞれ、上位10社が卒業生の何パーセントを占めるか、言い換えれば卒業生の就職先の集中度の高さを注記している。
こまかいコメントは差し控えるが、次の点は注意して見てほしい。
すなわち、
①上位10社に占める上場企業と公務員の割合、県内企業と県外企業の割合、上位10社の占有率は、それぞれの大学によって大きく異なっており、それぞれの性格をよくあらわしている。
②上位10社に、四国随一の人気企業である四国電力が入っているのは香川大学だけである。
③上位10社の企業に、当該学部卒業生から過去社長・頭取級の重役を出したことがあるのは香川大学だけである。
一見、どこも似たりよったりとも思える就職先であるが、以上のような点に注目してみると、非常に個性的で興味深いことがわかる。
〔香川大学経済学部 2009年春卒業生の就職先〕
卒業生数297名;上位10社合計53名=占有率18%
中国銀行 -------16名〔上場企業〕
百十四銀行 ------6名〔上場企業〕
香川銀行-------- 6名〔上場企業〕
日本生命-------- 5名
愛媛銀行-------- 4名〔上場企業〕
香川県警-------- 4名
四国電力-------- 3名〔上場企業〕
伊予銀行-------- 3名〔上場企業〕
阿波銀行-------- 3名〔上場企業〕
みずほ証券------ 3名〔上場企業〕
〔愛媛大学法文学部 2009年春卒業生の就職先〕
卒業生数583名;上位10社合計73名=占有率13%
愛媛銀行 -------19名〔上場企業〕
伊予銀行 -------13名〔上場企業〕
三浦工業 -------11名〔上場企業〕
松山市役所 ------6名
中国銀行-------- 5名〔上場企業〕
寺子屋グループ--- 5名
愛媛県警-------- 5名
公立高校教員-----3名
広島市役所 ------3名
百十四銀行-------3名〔上場企業〕
〔高知大学人文学部 2009年春卒業生の就職先〕
卒業生数326名;上位10社合計45名=占有率14%
四国銀行 -------- 8名〔上場企業〕
高知銀行 -------- 7名〔上場企業〕
百十四銀行-------5名〔上場企業〕
郵便局----------- 5名
伊予銀行--------- 4名〔上場企業〕
高知市役所 -------6名
高知県警--------- 3名
穴吹コミュニティ---- 3名
第一生命 ---------2名
トマト銀行---------2名〔上場企業〕
〔徳島大学総合科学部 2009年春卒業生の就職先〕
卒業生数255名;上位10社合計28名=占有率11%
阿波銀行 -------- 5名〔上場企業〕
郵便局 ---------- 5名
徳島銀行 -------- 3名〔上場企業〕
扶桑電通 -------- 3名
アビリティセンタ--- 2名
大黒天物産-------2名
JR西日本 -------- 2名〔上場企業〕
イズミ------------ 2名〔上場企業〕
四国銀行--------- 2名〔上場企業〕
玉屋------------- 2名
(2009.09.09)