先月、父を81歳で天地へお見送りしました。

昨年に入ってから肺癌のステージ4と診断され、この1年半の間、抗がん剤治療のため入退院を繰り返してきました。

コロナ禍で、この4月までは入院中の面会ができず、とてもつらいものだったと思います。たまの退院のたびに、体力も気力も弱っていってしまう父の姿を見てきました。
こんなことなら、厳しい治療などせずに、家で好きなように、穏やかな生活をぎりぎりまでさせてあげたら良かったのかな…など、いろいろ考えさせられます。

母は母で、父の長い入院で1人の生活が続くうちに、次第に気持ちが不安定になる事が増えていきました。更に、母も昨年末に初期の肺癌が見つかって年明けに手術をしたり、大変なことが続きました。

(病気については、私も肺癌患者ですし、体質など遺伝性や長期的な生活習慣などが関係しているのだろうか…？と思ってしまいます。私の兄や妹は今のところ元気なのが幸いですが…いつか将来的には、医学界の進歩で、様々な癌の原因を突き止めて予防できるような日は訪れるのでしょうか…)

そのような状況下で、私も昨年の途中からは実家や両親の病院へ行く日が多くなりました。家族として、果たしてどうすることが最善だったのだろうかと思います。

今となっては、一昨年に両親と３人で行った軽井沢の旅行も、本当に行って良かったなと思い出されます。あの頃は両親とも元気で、こんなに早く状況が一変することは予想できませんでした。

『長寿のお祝い & 福間洸太朗さんリサイタル　軽井沢』10月に入って緊急事態宣言が解除されてから、実家の両親と3人で軽井沢へ行ってきました。8月に父が80歳、母が75歳の誕生日を迎えることができ、特に父は傘寿とい…

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今後も、自宅と実家を行き来しながら、残された母とどのように向き合っていくか、そして自分の家族をもちろん大切にしながら、常に考えていくのだろうなと思います。

私の父は、穏やかで寡黙な人でした。

感情の起伏があまりなく、マイペースで人の話もあまり聞いていなかったり、反応も少ないので、家族は物足りない気持ちになることも多かったのですが、時には、その感情の静けさに救われることが多々ありました。

例えば、つらいな、しんどいなと思うことがあったとき。「そうだよな」と頷いて静かに微笑むような表情に、全てが洗われるような気持ちになった数々の場面、これからも忘れないで生きていくと思います。

↑長女が小さかった頃にアンパンマンが大好きだったので、父がよく描いてくれました。素敵な思い出です。

これからは、天地より穏やかに私たちを見守ってくれている。そう思っていれば、いつでも自分の中に、近くに父がいてくれるということ。感謝をしながら、毎日を大切に生きることで、父も喜んでくれるのかな…と心に刻んで、また気持ちを新たに頑張っていきたいと思いました。

(↑今から13年程前、長女の手を引いて歩く両親)

ちなみに…

棺には、父が好きだったもの3選(ゴルゴ13、美空ひばりさん、読売ジャイアンツ)の絵を、妹が急遽描いてくれてお納めしました。

私も、父の遺体が実家に安置されている間、父がピアノ曲の中では好きだったショパンのワルツ7番を中心に、ワルツ9番「告別」やベートーヴェンの「テンペスト」3楽章や「悲愴」2,3楽章などを弾いて(なぜかベートーヴェンが弾きたくなった)、久しぶりに聴いてもらいました。

いろんなことをたくさん与えてくれて、本当にどうもありがとう。

これからはゆっくり、好きなことを楽しんでね！！