10月に入って緊急事態宣言が解除されてから、実家の両親と3人で軽井沢へ行ってきました。

8月に父が80歳、母が75歳の誕生日を迎えることができ、特に父は傘寿という大変おめでたい節目で、何かしたいと思っていました。


とは言え、長らくのコロナ禍で、旅行などしても良いのか?という心配も当然あるし、すっかり出無精にもなり、両親は長時間移動し続けられる自信もなくなってしまった。旅行に出掛けたい気分でもない。軽井沢辺りは埼玉から近くて良いが、何度か行っていて見たいものもない。誘った当初は、そのような感じでした。


じゃあ、何か欲しいものあるかな?と聞いても、特にない。考える気力もない。

せっかく健康面は問題なく元気なはずなのに、コロナ禍の生活によって気力も体力も弱くなっていくのは勿体無いことだと思いました。


気分転換に何とか外に連れ出してみよう!と、なんとなく思いついたのが、音楽鑑賞でした。

ちょうど軽井沢大賀ホールで福間洸太朗さんのピアノリサイタルがあり、日程的にもちょうど良く、ダメもとで提案してみたところ、全く興味のないクラシック音楽だから逆に、一生に一度くらい生で聴いてみるのも良いかな、と思ってくれて旅行が決まりました。



前置きが長くなりましたが…

旅行は二日間とも最良のお天気に恵まれ、軽井沢の爽やかな空気と、美しい緑に囲まれて、両親も気分を一新できたようで何よりでした。

↑軽井沢大賀ホール。ソニー元会長の大賀氏より寄贈され、音響にも優れていることから著名な音楽家たちのレコーディングにも使用されてきたそうです。


生演奏の迫力と、ピアノの美しい響き、曲の合間でのMCなど、両親には思った以上に楽しんでもらえました。良かった。


父は「左手の(ためのシャコンヌ)が特に良かったな」と具体的な曲を挙げて感想を言ってくれました。居眠りせずに聴いてくれたんだ、、と嬉しかったです。

母も「75年間生きてきて、音楽でこんなに素晴らしいと思ったのは初めて!」と興奮していました。

私は、バッハもメンデルスゾーンも素敵だなと思いました。福間さんのメンデルスゾーンは初めて聴いたけれど、どの曲もすごく良かった!

穏やかであたたかくも芯のある歌い方が好きだなと思います。


メンデルスゾーンって、今までは耳馴染みが良くてBGMのように聞き流してしまう曲が多い印象だったのですが、そんな印象がガラリと変わりました。

無言歌集の「デュエット」は、聴きながら自分や家族との生活を重ねたりして、頭から離れなくなってしまいました。いつか練習してみたいなぁ。


(↑演目と解説)



さて、体力がない!と言い続けていた割に、母は二日間とも演奏会以外はアウトレットでショッピングに延々と歩き続け、生き生きとした表情や足取りが少し復活したように感じられました。

でも、結局自分の物は買わず、家族への買い物ばかりに終始する母の姿に、密かに心じんわりとする私でした。



両親には、これからも元気で、でき得るかぎり長生きして欲しい。そして自分も。


↑宿泊した「ホテル音羽の森」の美しいお庭にて。お食事も美味しく、ゆっくりできました。