1.美緒さんを使った企画
美緒さんの持ち味は、そのかわいいルックスと自問自答するようなキャラだから、その辺を十分考慮していきたい。
というわけで、やはりパリを中心とした企画を思案してみる。
テーマは ”音楽とは”
ゴダールのアワーミュージックで途切れた音楽への果てしない旅の続き
○シャルルドゴール(昼)
エアバスA380。
美緒(22)がスーツケースをもってターミナル2を歩いている。
サングラスをはずす美緒。
美緒「君の好きにすればいい」
○空港内インターネットブース
ネットで電話をかける美緒。
美緒「手紙書かなきゃ」
美緒、まわりをきょろきょろ見る
美緒「電源死んでる」
寝ている女、さゆりを見つける。
美緒「なにしてるのかこの女は」
さゆり「・・・(起き上がって)はあ?」
美緒「え、日の元の方ですか?」
さゆり「何、あんた」
美緒「ちょっと、ここは寝る場所じゃないですよ。席使わせてもらっていいですか」
さゆり「ちょっと何様のつもり」
美緒、携帯の電源を抜く。美緒の携帯を床に落とす。
美緒「あっ、ごめんなさい」
美緒、パソコンも落とす。
さゆり「ちょっと何してんのよ、もう、あっち行ってよ」
美緒「あーーー」
頭をかかえる美緒
○車
太郎が運転する車に、さゆりと美緒。
太郎「かわいそうにねえ」
美緒「・・・」
美緒M「人間の心は肉体に閉じ込められて生きている」
さゆり「新しいの買えばいいじゃない」
太郎「パソコンなんかいらないさ、若いんだから。ほらルーブルだよ」
美緒M「心は自分を覆い包んでいるもののなすがままにされている」
さゆり「そういえば電気屋さんあったわね」
太郎「名前なんて言ったっけ?」
美緒「(にこっと笑い)、美緒」
太郎「美緒ちゃんね、お茶でもしようよ」
さゆり「お茶でもしようよ」
美緒「ジャックたら」
太郎「どこのホテルに泊まるの?」
美緒「わからない、プロヴァンス何とか」
さゆり「ちょっといい加減にしてよ、ここで下ろしちゃうわよ」
太郎「まあ、そう怒るなって、バウチャー持ってるんだろ」
○カフェ
美緒が購入したパソコンのスイッチをつける。
美緒「やったー新品。うれしい」
太郎「貸しね。利率2%でいい」
美緒「ありがとう、ジャック」
太郎「ジャックじゃねえよ、太郎だよ」
美緒「サンクス、ジャック」
さゆり「古いのは引き取ってもらったの?」
太郎「まさか。ホテルに行ったら、ハードディスクコピーしてやるよ」
さゆり「えっそんなことまでするつもり?大事な写真でもあるの?」
美緒「ジャックの心は、今まさに運動開始の許可を受けたぞ」
さゆり「ねえ、ちょっと指見せて」
美緒「えっ?」
さゆり「ギターかなんかやってる?」
美緒の手
美緒「ヴァイオリンを少し」
さゆり「これは少しって手じゃないでしょ」
美緒「指が死ぬほどの消耗」
さゆり、おもむろにかばんからクラリネットを出す。
さゆり、にこっと笑って
太郎が来る。
クラリネットを太郎の又に近づけるさゆり
美緒「運動開始を許可する」
机の上にタバコとカードを置く。
美緒、じっと太郎を見つめる。
太郎、コーヒーカップを美緒に口に飲ませる。
さゆり「軽蔑!」
○モンパルナス墓地のあたり
車が止まる。
荷台からスーツケースを取り出す美緒
手伝う太郎。
肌がふれあい、恥ずかしそうにする美緒
さゆり「ふん!」
スーツケースからヴァイオリンを取り出す美緒。
○森
美緒がヴァイオリンを弾く
さゆりがクラリネットを弾く
太郎、本を読む
つづく