~SS3 RIKUBETSU LONG~
SS2でさほど悪くない感じだったので、楽しみに思いつつ陸別に向かう。
超ハイスピードのクンネイワのゴール後なので、普段よりやや興奮状態。
なかなかスリリングなSSだった!
道なりに行って、国道に突き当たったら右に行けば陸別の市街地だ。
2年前のラリー北海道でも出場しており、レッキでも何回も通ったのでこの周辺の道は覚えてしまった。
信号もさほど無いので、あっという間にスタート付近の誘導路に到着した。
あと数百メーターで左に曲がるというところで、ゼッケン1番から順番に名前と一言コメントの段ボールの
応援メッセージ看板がズラリと並んでいる。
うちらクルーへのコメントは「新人ガンバ」だった。
うーん・・・ I君は2年前にラリー北海道デビューしてるからもはや新人じゃないよな?
(後で知ったのだが、オフィシャルをされていた陸別の方が作っていたとのこと。
毎年ありがとうございます!)
10数分前に余裕を持ってTCに到着。
少しづつワクワクしてきた。何しろ陸別は観客の皆さんが多いですし。
スタート直前にオフィシャルからは、「途中道を少し塞いでいるけど通れます」とアナウンスがあった。
まあ毎度のリタイア車かな、と思いしつこく聞き返さなかった。
スタート30秒前付近だったので、もう集中しなければいけないタイミングだし。
これが今思い返すとミスだったかもしれない・・・
どの箇所でどんな感じ? などもらえる情報はトコトン貰う。
いい意味での「しつこさ」が大事だったのでは?
スタート後、SS総距離の半分くらいは舗装だ。
そつなくスタート。
舗装路面をダートタイヤで走るので、ややおっかなびっくりで行くかと思ったが、
ドライバーI君は快調にコーナーをクリアしていく。
「舗装路面をダートタイヤ、こんなシチュエーションはそういえば一昨年のWRCであったな。」
とふと思い出す。
2年前のWRCの札幌ドームでのスーパーSSにて、
I君はオイラとのコンビで国内参加クルーのベストタイムを奪っただけある。
横に乗っていても安定して怖くない。絶妙な滑らせ具合でコーナーをクリアしていく。
そして舗装の左コーナーからダート路面に切り替わる。
以前はこのダート地点からスタートだったが、昨年からは今回の舗装後にダートのレイアウトになって距離を伸ばしたそうだ。
アウト側に土嚢が置かれていたが、危なげなくクリア。
ダート路面からスタートだった時に比べて、舗装でのスピードがついている分あっという間に次のコーナーに差し掛かる。
そして思ったよりも曲がっている感覚だった。
ダートに入って数コーナー先、クレスト(丘になっていて先が見えづらい)の直後の右コーナーに差し掛かったとき、微妙に外側にこぼれそうになるが、何とかクリア!
ちょっとヒヤリとする。
後でオンボード映像を見てみたら進入スピードは結構なものだった。
「オーバースピード気味だよ」とコメントすべきだったのかな・・・?
その後下りのストレート後、コンクリ製の浅いプール「ウォータースプラッシュ」を通過する。
ウォータースプラッシュを通過する直前で、それなりの速度だったので、40メーターのストレートとその先の右コーナーもオイラはジャッジしていた。
通過時に水の衝撃とコンクリの段差を覚えた直後、若干ではあったがジャンプした感覚。
難なく通過して視線は次の右コーナーの先だ!
あれ? 何で曲がらない??
右コーナーのアウト側は少し左に落ち込んでいる。
ドライバー君は必死に何とか修正しようとしているが、左側に吸い込まれるように向かっていく。
サトリアが微妙に左に傾く、と同時に景色がスローモーションに・・・
「ヤバイ、ウォータースプラッシュ後にあまり減速してないぞ!」
「ダメージやばいかも!」
といったことが瞬時に頭の中をよぎる。
外側に転がるのか? と思った矢先、フロントからの大きなダメージが!
その衝撃で手にしていたペースノートはダッシュボードに吹っ飛んでいった。
同時にボンネットが跳ね上った。何てダメージだ!
両足で踏ん張っていたが、ハーネスのベルト部分に体の一部が圧迫される。
ダメージの反動で、シートへ体が押さえつけられるような衝撃も結構なものだった。
そして跳ね上がり転がった感覚の後に、クルマが静止した。
助手側のドアを下にして90度傾いて転がっていたのだ。
大丈夫、フロントとサイドガラスは割れてないので切り傷は無い。
手足の感覚もある。体へのダメージは無さそうだ。
ハーネスのバックルを解除してベルトを緩めようとした際に、左肩のガラス越しに水の流れが・・・
クラッシュで動揺してるんか? と思ったがそうではない。本当の水の流れだった。
そうだ、クルマから出なければ・・・
でも大事なノートとロードブックは一まとめに・・・と回収したとき、右上のほうからI君の声が。
「こっちから出ますよ」
ハッと我に返った。持ち物は後でいい。(何のんびりしてるんだか・・・)
ともかく脱出だ。
ダメージで動揺した自分を恥ずかしく思った。
車内のどこかに吹っ飛んでいった三角停止板を持ち出し、頭上側になった運転席側のドアをI君に持ち上げてもらい脱出。
ドアがこんなに重かったとは・・・
車外に出て土手をよじ登りコースに出た。
と同時に歓声?
そうだ、ギャラリーコーナーのまん前で落ちたのか・・・
よく脱出できた、との励ましの声か・・・
三角停止板を少し手前に置き、ちょうどウォータースプラッシュで撮影をしていたカメラマンさんに
「大丈夫?」と尋ねられた。
そしてリタイアしたクルーの必須の行為である「OKボード」の提示と、リタイア車あり減速せよのゼスチャーをウォータースプラッシュ付近で行った。
その後更にとんでもない事態になろうとは・・・