古書店を営む祖父と2人暮らしの林太郎。
祖父が突然亡くなり、人間の言葉を話すトラネコに頼まれ、本を守る為に迷宮に入り込む。
名著がたくさん出てきて、本好きの人にはたまらないと思う
ぶっきらぼうで、チョイ偉そうなトラネコのキャラがいい(笑)
本の力とは
「“人を思う心”、それを教えてくれる力が、本の力だと思うんです」
林太郎のこの言葉に詰まってると思う
解説を兼ねたあとがきも含め、著者の夏川さんが本が大好きな事がスゴく伝わってくる
「一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである」
様々な価値感が出てきている多様性の時代の中で、年月を経ても変わらない普遍性の大事さを教えてくれるのが本だと思えてくる。
本が好きな人はもちろん、普段本をあまり読まない人も、本を読んでみたくなるかもと思う
〜心に残った言葉〜
「世の中には理屈の通らぬことや、理不尽なことが山のようにある。そんな苦痛に満ちた世界を行きていく上での最良の武器は、理屈でも腕力でもない。ユーモアだ」
「思いやる心というのは、甘ったるい声で薄っぺらい同情の言葉を並び立てる態度を言うのではない。悩む者とともに悩み、苦しむ者とともに苦しみ、ときにはともに歩む態度を言うのだ」
「本にはたくさんの人の思いが描かれています。苦しんでいる人、哀しんでいる人、喜んでいる人、笑っている人……。そういう人たちの物語や言葉に触れ、一緒になって感じることで、僕たちは自分以外の人の心を知ることができるんです。身近な人だけじゃなくて、全然違う世界を生きている人の心さえ、本を通して僕らは感じることができるようになるんです」