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他に、心に残った言葉を

別途に記したフレーズ集

(自分の記録用)
 

 

 


人間は去りゆくことばかりに目をやるが、過去があるから未来がある。果たしてそこに気づいているだろうか。今日という日は脈々と続く時間の途中。日々はそうやって成り立っているのだと。

 

目まぐるしく毎日が過ぎていく。それに付いていくことばかりを考えると、まわりが見えなくなる。風の音を聞いて、葉の揺れる音に身を任せることの大切さを忘れてはならない。

 

花の命は結構長い。人生も長い。だから、ゆっくり行けばいい。そうやっているうち、いつの間にか気づかないうちに何かにつながっていく。続けていくことは、そういうものなのだから。

 

人間も、自らの調子が優れないとき、それは暑さ寒さや身体のことだけでなく、精神に関してもうまく操作できるすべをなぜ身につけないのだろうか、と不思議にすら思う。本来、そうした技は備わっているはずなのに、それに気づこうとしない。もうだめだ、と安易に諦めを口にする。

 

しかし、そうやって弱音を吐くことが、自浄作用になっているのかもしれない。自分の痛みを訴え、誰かに助けを求めることで、前に進めることがある。弱音を吐かないで自らの中に溜め込むことで、結果的に自らを追い込んでいるのだとしたらどうだろう。

 

わかりやすく華やかな時期だけでなく、それぞれの季節に味わいがある。どの季節にだって魅力を見出せる。誰もが思う成功が、必ずしも本人の幸せの形ではない。忙しく働く彼女らに転じてみる。仕事のやりかたも人それぞれ。自分に合うベストの環境を見つけることだって、新たな価値を探っているといえるのではないか。オリジナルな生き方は、目を凝らしてみれば、あちこちに転がっているに違いない。

 

物事にはいくつもの側面がある。同じ現象でも裏をかえせばまた別の見方があるのだということに、忙しさにかまけてばかりいると気づけないこともある。

 

「伝統って頑なに同じことを繰り返していくことじゃない、って私は思うの。時代に沿った変化をしてこそ、続いていけるのだし、受け入れられていくんじゃないかしら」

 

多くの人の手と時間を経てきたものは、そのものだけが持つ美しさがある、だから惹かれるのだ。経験を経てしか得られない空気、それは和菓子職人である母の手を見ればわかる。急いで母のところまで行きたいと思ったこともあるけれど、ゆっくりでしか辿り着けない場所があるのだ、ということが、ようやくわかってきた。焦る必要なんてない。時が過ぎるように、自分も成長していけばいい

 

「まずはやってみようと思って。やってみて、もしうまくいかなかったらまた考えればいい。考えるだけで何もできないよりもいいでしょ」

 

「大切な人や自分のことを考える、その時間が心を育てるんだってことに、私自身も気づかされたの」