story 144 確率1% vs 90%
北野「それでは、お二人さんには野球対決をしてもらいます。」
「それぞれ、ピッチャーとバッターをやってもらいます。」
「投げる球は10球。」
「この10球で勝負してもらいます。」
「打球に応じて得点が入ります。」
「判定は私の独断で決定されます。」
「ヒットは1点、2塁打は2点、3塁打は3点。」
「そして、HRは10点です。」
「合計得点が多い方が勝者です。」
「それでは、3番の人が先行で、4番の人が後攻です。」
「用意はいいですか!?」
「プレイボール!!」
結人「君に俺の球が打てるかな!?」
「見せてやる!!」
「この日の為に特訓してきた魔球を!!」
「うりゃー!!」
カキーン!!
北野「はい。ヒット!!」
結人「な、何・・・」
「ちょ、ちょっと手が滑ったかな・・・」
「にゃははは!!」
「次はそうは行かないぞ!!」
「究極のカーブを見せてやる!!」
「名付けて、曲がらないカーブ!!」
カキーン!!
北野「はい。3塁打!!」
結人「な、なんだと!!」
「ちょっと怒ったモンね!!」
「本気で行くぞ!!」
「喰らえ!!」
「落ちないフォーク!!」
カキーン!!
北野「はい。ヒット!!」
結人(ど、どうしよう・・・)
(このままではヤバイなぁ~)
(そろそろ、あの球を投げるか・・・)
結人「魔球!!」
「下手投げ!!」
北野「ストライーク!!」
隼人「な、なんだこのクソ遅いボールは・・・」
「タイミングを外されたか。」
そして、結人は10球投げ終わる。
隼人の成績。
ヒット4本、4点。
2塁打1本、2点。
3塁打1本、3点。
合計9点。
攻守交替。
結人「よ、よく頑張った方じゃない!?」
「メジャー仕込みの振り子打法を見せてやる!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
北野「ストライーク!!」
結人「な、何故!?」
「ば、バットに当たらない・・・」
結人は1度もバットにボールが当たる事無く、ラスト1球。
隼人(あーなんと倒し甲斐の無いヤツ。)
(何が振り子打法だ!!)
(って言うかアイツ右打ちじゃん!!)
隼人「一つだけ言っていいか!?」
「お前、右投げ左打ちじゃないの!?」
結人「あっ!!」
「忘れてた!!」
「俺、左打ち!!」
「そ、そんな事忘れるのか・・・」
「ふっふっふ!!」
「俺に助言をした事を後悔させてやる!!」
「謝ったって許してあげないからな!!」
結人(とは言ったものの・・・)
(ヤツが9点だから・・・)
(勝つ為には一発逆転サヨナラ満塁ホームランしかないな。)
(ま、満塁は関係ないか・・・)
結人「心配ないからね・・・」
「君の想いが・・・」
「誰かに届く・・・」
「明日がきっとある・・・」
隼人「何、ブツブツ言ってんだ!?」
「お前はもう終わりなんだよ!!」
「これで終わりだ!!」
隼人が最後の1球を投げる。
「信じる事さ・・・」
「必ず最後に愛は勝つ!!」