やっぱり、「JIN」最終回の感想は書いておこう。






最後の場面は「橘未来」の脳腫瘍摘出手術開始で終わった。


まるで次があるかのようにも受け取れるが、


自分としては納得のラストだった。







このドラマのテーマは、現代の脳外科医が幕末にタイプスリップをして、


江戸の町を救うというものが一番だろうが、


そこで出会った「橘咲」の願いが、思いが叶った・・ということも上げられるような気がする。









「野風」の身請けが乳がん発覚でご破算になった段階で、


「友永未来」が生まれる歴史が変わってしまった。







だからこそ、咲は仁先生が未来に戻ったときに、


なんとしてでも「未来」と出会う歴史を作りたかった。






それは野風とて同じことだった。


だから「あちきの夢を奪わないでおくれなんし!」と、麻酔なしの帝王切開を懇願する。





そして野風の子「安寿」にを抱いているときに語りかける。





「あなたは私の恋敵を作ることになるのですよ。

あの方を、傷付きやすいあの方をお守りくださいね・・。」と。






仁からプロポーズされたときに断ったことも、


仁が未来に戻ったときを思ったからこそ。


だから「仁友堂を守ることが一番大切なこと」とずっといっていた。


自分の本当の思いは心に秘めて・・。








仁が現代に戻った段階で、「南方仁」はすでに存在しないものとなって、


彼の存在は「取り消されて」しまった。


だが、咲の心は、体が消えても「先生」がいたことを忘れなかった。


それがあの手紙だったんだよね。







仁友堂は歴史に残り、そこにいた佐分利ほかの医師たちも歴史に名を残した。


坂本龍馬が残したといわれる「保険なるもの」のおかげでこの国の医療体制は進んでいた。






仁の存在は消されたが、足跡は確実にそこにあった。



歴史の修正力にも仁は勝ったのだ。







咲の願い・・。




未来に、必ず「未来さん」と出会って欲しい。




このために、おそらくがんが進行して亡くなった「野風」の子、「安寿」を養子として引き取って育てたのだ。




仁友堂を残したい・・。




これが叶ったことが、橘咲にとって一番嬉しかったものだったんだろう。










「あなたをお慕い申しておりました」




一緒になることは叶わなかったが、


これは平井堅の「いとしき日々よ」の歌詞で十分に納得できる。








龍馬と一緒にとった写真を「橘未来」と見ていたとき、


「まるで、隣に誰かいたようですね」と彼女に言われたシーン。


仁の表情を見て、橘未来は何かを感じたはずだよね。






仁が今そこにいるのだから、あの時代に仁が存在してはいけないからね。






♪ たとえ時が移ろうと 縫い合わせた絆はけしって解けない・・。




実にいい歌だ・・。






現実には起こり得ない設定のドラマだったが、


人の命、思い、そして絆を教えてくれた。


今の時代に生きる意味を、時代が違おうと考えなきゃいけない。






「江戸の人はみんな笑うのが上手だ」





時代のせいにするのじゃなく、今を楽しんで笑っていることは大切だよね。(ゲソカス缶は別だが)




久々に夢中になれたドラマだった。



精一杯、今できることをやっていきたいね。







戻るぜよ、せんしぇい、あん世界へ・・。