東京ディズニーランド・シーの再開のめどが立っていない。
ランド内は震災の影響はほとんどなく、駐車場の液状化も復旧は終わったにもかかわらず・・。
問題は、東京ドームの10倍にも相当する電力ということなのだ。
1日当たり約57万キロワット。
これは一般家庭の約5万世帯に相当する。
ランドがある舞浜地区は今まで計画停電は3回実施されており、
その度に京葉線は運休となっている。
野球であれだけ叩かれたのだから、
いくらディズニーといえどもその10倍の電力消費となれば手放しで再開とならないだろう。
私たちは、そんな電力を使ってのエンターテイメントに胸躍らせてきた。
今までこんな多くの電力の恩恵を受けて感動をもらってきたのだ。
夜のライトアップやイルミネーションの美しさも、
アトラクションのスリリングな体験も全てだ。
ディズニーランド・シーは「夢の国」だった。
私も娘たちもこの「夢の国」が大好きだ。
しかし、今回の震災で、それはあくまでも経済発展のために体験できたことだと実感した。
海を埋め立て、その上に出来た「夢の国」。
感動をもらいながら、それは自然破壊の成れの果てではなかったか・・。
従来あったはずの海を人間の都合で破壊し、埋め立て、
その上に住み、ショッピングをし、電車を走らせ、そして「夢の国」を造った。
ディズニーシーにいれば、そんなことは一切忘れ、娘たちと夢の時間を過ごしてきた。
再開は待ち遠しいが、それはあまりにも贅沢というものだろう。
今まで大好きだった「夢の国」は、虚像だったとさえ感じてしまう。
あの大津波の映像を観て、これが「夢の国」に襲ってきたら、
ひとたまりもなく「夢の国」は無残に砕かれ、大量の瓦礫と化してしまうと思った。
いくら頑丈に作った土台でも、所詮は海の上。
あんな大津波には太刀打ちできるはずもない・・。
考えすぎだろうか・・。
再開をもっと楽しみに待っていればいいだろうか。
今の心情では、とてもじゃないが、再開しても喜んで行く気にはなれない。
電力は貯めておくことができないから、節電してもそれを夏に取っておくことは出来ない。
今の節電は今だけのもの。
夏の前なら、ディズニーは再開しても問題ないだろうが、
夏本番になって冷房使用となれば、57万キロワットの電力のために大停電になることは否定できない。
現実に目をやれば、享楽のために電力を湯水の如く使っていたのが「夢の国」・・?
しかし、楽しさを求めていけないこともないだろう。
しばし日常の慌しさを忘れ、娘たちとの貴重な時間を過ごせたことは事実。
心の葛藤が消えることはないだろうが、
また「夢の国」に、楽しさだけを感じる時間を過ごす時が来ることを願ってやまない・・。