世知辛い世の中だが、感動する記事を見つけた。
<火災>高校生が4歳児救出 配水管から2階へ
20日午後1時50分ごろ、京都市伏見区醍醐中山町の市営住宅「醍醐中山団地」21棟(5階建て)2階、
アルバイト、大西好子さん(22)方から出火。
46平方メートルのうち台所付近約15平方メートルが焼けた。
大西さんの長男(4)が助けを求めているのを高校生2人が見つけ、
排水パイプをよじ登って2階のベランダから救出した。
長男は煙を吸っており、病院に運ばれたが無事。
京都府警山科署によると、大西さんは長男と2人暮らしで、出火当時は長男1人だった。
同署などによると、同じ団地に住む私立綾羽高3年の木ノ下貴紀さん(18)と、
木ノ下さん宅に遊びに来ていた府立鳥羽高3年の杉本亨光さん(18)が現場へ駆け付けた。
室内から黒煙が噴き出す中、2階のベランダに男の子を発見。
2人は排水パイプや1階ベランダをつかんで2階へよじ登り、
杉本さんが涙ぐむ男の子を右肩に抱え上げて助け出した。
杉本さんは相撲部に所属し、09年の新潟国体で団体4位を飾ったときのメンバー。
「相撲で培った力を生かせた」と話した。
また木ノ下さんは「昔は消防士になりたかったので、助けられてよかった」と話していた。
山科署は21日に2人を表彰する。
近頃の高校生は・・・なんて、すべて一くくりにしちゃいけないよね。
一歩間違えれば自分だって犠牲になるかもしれない。
「火」は怖い。
映画「バックドラフト」の中のセリフで、
「火は生き物だ。 壁を伝いどんどん成長するんだ。」というのがある。
そしてそのとき発生する煙。
皆火よりも煙によって倒れてしまう。
動けなくなった所に火が襲ってくる。
乾燥していれば、木造の家一棟が1時間で全焼させてしまう「力」がある。
いくら相撲部とはいえ、強靭な力を持ってしても火には対抗できないのである。
そんな状況の中で、幼い子どもを助け出した二人は、本当に勇敢だ。
怖さよりも、子どもを助けることが優先になったからこそ、
恐れずに火に向かって登っていった。
その中の1人は消防士になりたいと言っていた。
きっと、勇敢な消防士になってくれるだろう。
ただね、22歳の母親ということは18歳でこの子を産んだことになる。
そしてその4歳の子を一人にして、一体どこに行っていたのか?
近所への買い物だったら一緒に行けばいい。
子どもを一人にしての危機管理がまったくないこの母親は、
いったんどんな顔をして我が子との再会を果たしたのか。
それは知る由もないが、この子が受けた火に対するトラウマは決して消えることはないだろう。
若くして母親になり、そして父親は一緒にいない。
「シングルマザー」は大変だろうが、自分が選んだ道。
この子の人生はこの母親が握っている。
その「責任」をしっかり自覚して、助けられた我が子を抱きしめてあげて欲しいものだ。