大相撲の横綱朝青龍が引退した。
このブログでも取り上げたので、幕引きに関して書いておきたい。
引退だろうが、事実上は解雇を迫られて仕方なく引退となったのが本当のところだ。
解雇なら退職金は支払われない。
これで朝青龍は1億の退職金が受け取れることとなった。
「事件」に関して多くを語らない元横綱だが、
もし本当に暴行行為があったのなら、間違いなく傷害事件。
メッセンジャーの黒田のように、次の日から仕事がなくなる状態でもなんらおかしくない。
もちろん退職金などという「功績」に対して払われることもないだろう。
でも相撲協会はこれで「一件落着」とした。
「なぁなぁ」体勢はしっかりと受け継がれていたんだね。
それに高砂親方が役員から主任への2階級降格ですんだのは納得いかない。
この親方の責任は、朝青龍に匹敵するどころか、
監督不行き届きで「解雇」通告が出されても不思議じゃない。
朝青龍の傍若無人な行動を諌めることもできず、
モンゴルに朝青龍が「精神疾患」で帰国している所に赴き、
温泉に入って「ツルッツルだよ」と笑顔でいたような無責任な親方なのである。
今回の件だって、事件発覚後に飲み歩いて泥酔状態のこともあった。
息子同然の弟子の不始末がありながら、
親同然の親方が「オレは関係ない」などと暴言まで吐いている。
コイツが何で降格程度で済むんだろうね?
朝青龍を擁護するなどしないが、
朝青龍だけが強制的に引退させられて、
高砂親方が相撲界でまた「指導」する立場で残るのは釈然としないわな。
もっと言えば、朝青龍が横綱までになったのは親方の指導じゃなく、
朝青龍自身の努力の賜物である。
彼が「九重部屋」で元千代の富士の指導下の下で出世していったら、
「品格」をここまで落とすことはしなかったんじゃないだろうか?
大分で「ワル」で知らないものがいなかった元大関・千代大海が、
改心して大関までなったのは九重親方だからこそだったはず。
親方がまだ自分が越せない存在であったのなら、
朝青龍の言動も抑えられたのかもね。
まぁ、引退時にどんな地位であれ、
親方は育ての親で尊敬するのが当たり前なんだけどね。
世論では、朝青龍引退を惜しむ声もある。
確かに土俵を盛り上げた功績は大きい。
記録の上で見れば「大横綱」といえる成績だ。
しかし、このように強ければ何を言っても、
何をしてもいいという風潮はあまりにも危険。
アスリートであれば強いもの。
社会的には地位のあるもの。
こういった人たちが地位や肩書き、
経済力で人を押さえつけることは人間として最低な行為だ。
朝青龍擁護の人たちは、こういったことを肯定しているに他ならない。
「朝青龍がいると土俵が盛る上がる」という理由だけで、
これまでの傍若無人な行動を見逃すことは、
心の貧しさを自ら露呈しているといっても過言ではない。
強ければ強いほど、謙虚であることが人間には大切なこと。
これがあれば人は支援してくれる。
その人が苦境に陥っても見捨てることはしない。
まぁ、中には金の切れ目が縁の切れ目で去っているアホはいるけどね。
なんでもトップに立つ人間はそれだけの責任がある。
自分の行動であらゆることに影響が及ぶことも肝に銘じておかねばならない。
その姿勢が次世代の子どもたちにも多大な影響があることも。
横綱朝青龍がいなくなっても、また次のヒーローは必ず出てくるもの。
千代の富士が引退したあとには貴乃花がいたわけだし。
世の中はそういうふうに回っているものだ。
できれば、次は日本人のヒーローを期待したいね。