夜の11時過ぎ、トントントン・・・と階段を上がる音がする。
妻はいきなり布団を被る。
私はパソコンの前に座ったまま動けない・・。
いったいなんだ?
ドアが開く!
入ってきたのは・・。
な~んだ、バカ娘か。
(引っ張るわりにはつまらんな・・。)
「あのさぁ、献血ってどのくらい血ぃ取られるの?」
なんのこっちゃ?
「明日さ、○○ちゃんと献血しに行くんだ」
えらいねぇ。
やっと人の役に立つことを覚えたか。
「でさ、○○ちゃんが話し聞きたいから電話出て」
そして携帯をオレに渡す。
結構娘の友達とは話すんだよね。
内容は、200ccか400ccのどちらかになるか聞きたいらしい。
何も問題がなければ400ccになるだろうし、
成分献血なら200ccになるだろうし、
それは問診などをしてからだからね。
娘と違って、話し方も丁寧で安心して話せる子だ。
その友達と話している間、娘はなぜか踊っていた・・。
生まれて初めて献血をするので、ちょっと不安になったんだね。
あとは時間がどれくらいかかるとか、
とりあえず予備知識を得ておきたかったらしい。
以前池袋で妻と献血をしたとき、
だいたい小1時間かかった記憶がある。
問診や順番待ち、そして採血、そのあとに献血手帳をもらったりするからね。
終わって待っている間は、そこにあるジュースやおにぎり、ハンバーガーなどが無料で飲食できる。
娘にそれを話したらやけに喜んでた。
間違っても腹いっぱいになるまで食うなよ・・。
献血するんなら、ついでに脂肪も吸い取ってもらえば?
と言ったら
「吸い取って欲しいわ!」 だって!
最近ちょっとふくよかになりつつある・・・ってなってるか・・。
オマエなら、800ccぐらい取っても大丈夫そうだな。
「は? バカじゃね?」
ぬぅわんだとぉ・・。
テメェ、親に向かってバカとはなんだ、バカとは!
「あ~、うそ、うそ!」
夜の夜中に大騒ぎの玉三郎家であった・・。
またいったいどういった経路で献血をするって思いついたのかな?
17歳。
いろんなことに好奇心があるから、
体験しておくことは大切だ。
1回で終わりかもしれないけどね。
そして今日はそのこの家に泊まるらしい。
以前はその都度お邪魔する家に電話を入れていたが、
お礼は自分でやるからもういいと言っていた。
まぁ、何でもかんでも親が子どものすることに首を突っ込むのもどうかと思うから今はしなくなった。
献血は社会貢献の一つだ。
その役割の一端を娘が担うことになって、
少しだけ大人に近づいたかなと思う。
ま、本人は遊び半分かもしれないけどね。
でも行動することに大きな意味があるから、
帰ってきたら献血の感想を聞いてみたいね。