当然のことである。
日本人が自国の歴史を知らずしてどうやって国際社会の中で生き残れるのか。
世界史はあとでもかまわない。
まずは日本の歴史を上辺だけでなく奥深く理解することが何よりも大切だ。
縄文時代から順番にやるのもいいが、
まずは生徒たちに興味を持たせるには、幕末や明治の日本人の気概からやるのがいい。
長い鎖国時代に栄えた江戸の文化もいいだろう。
徳川幕府はどの時代にも、光を当てる部分がある。
天障院を今大河ドラマ(篤姫)でやっているが、大奥の女性を取り上げても面白い。
甲府藩主であった綱豊が6代将軍家宣となり、その妻煕子は御台所として大奥に入る。
家宣の死後、吉宗を将軍に押したのは天英院となった煕子であった。
甲府藩にいた頃はとても仲むつまじい夫婦であったが、将軍、御台所となってからは、
煕子は夫に会えない日々を送ることになる・・。
先生がうまく教えられないのなら、
「その時歴史が動いた」(NHK)を研究してもいいだろう。
材料はいくらでもあるのだ。
上辺だけの年号を覚えさせたり、とりあえず有名な人物を覚えさせるから、
「歴史」そのものに興味が行かないのが当然である。
なぜそうなったのか。
人物の相関図はどうなっているのか。
「たら・れば」はないが、もしこの人が20年早く生まれたら歴史はこうなっていなかったとか、
面白おかしく教えることも出来るはずだ。
伊達政宗が20年、いや10年早く生まれたら天下は徳川ではなかったかもしれない。
そうやって正宗に光を当てて歴史を奥深く読む。
そうすれば、信長も秀吉ももっと奥深く興味を持って覚えるようになるのだ。
全国版よりも、その地域における偉人を取り上げて、有名どころにつなげてもいいだろう。
自分たちの住んでいる土地でこんな人がこんな実績を遺していた。
そしてこの場所はこういうふうに作られた・・。
関東大震災後の東京を復興させたのは後藤新平である。
今の靖国通りも後藤がいなければなかったのである。
後藤新平は岩手の出身。
東京で実績を遺したが、彼は満鉄の初代総裁であり、ボーイスカウトも作った。
台湾統治の際も、児玉源太郎と共に赴き、台湾に鉄道を通し、インフラ整備を行った。
こんな偉人が自分の土地の出身者であれば、そこから教えることもいいはずである。
歴史を知る事は今の日本を知ることになる。
論語を読めば、今も昔も政治家が腐敗する事は同じであることもよく分かる。
まさしく「温故知新」。
初めに興味を持たせることから始めれば、どこからでもかまわない。
日本の歴史はとても長いのだから。