私には兄がいる。3つ違いである。
よく面倒を見てくれた優しい兄である。
それでも男の子同士であるため、小さい頃はよく兄弟喧嘩をした。
しかし、いろいろな遊びをしてきたためか、「限度」は知っていた。
こうすれば怪我をするとか痛いとか、相手が嫌な思いをするとかの「痛み」を知っていた。
包丁も小学生の時から使っていた。
だから、包丁は「料理の時に使うもの」という認識があった。
そして刃物は怖いものということも自分で指を切ったことがあるから知っていた。
今の親は何でも危ないからという勝手な理由で使わせない。
包丁の使い方を知らないほうがよほど怖い。
痛ましいこの事件の判決が出た。
兄を兄とも思わない妹と、その妹が憎くてたまらない兄。
結果兄が妹を殴り殺し、遺体を自宅で切り刻んだ。
殺人に関しては7年、死体損壊に関しては無罪。
理由はいつもの「心神耗弱、心神喪失」である。
被害者の生い立ちから全てを調べ、精神鑑定をし、犯行時の精神状態を判断する。
人が人を殺す時に、そもそも精神状態が普通だということがあるのだろうか。
これだけは私も経験がないからわからない。
しかし、人を殺したらどうなるかの判断がつかないことは間違いないだろう。
つまりはその時は「まとも」じゃないのだ。
「まとも」じゃない犯人の犯行時点の精神状態が「まとも」だなんて誰も思っちゃいない。
それを「先生」方が勉強なさった知識を駆使して、それをあたかも見たかのように「鑑定」する。
自分から見ると、どっちも「まとも」じゃないな・・。
被害者と加害者が同じ家族であり、、両親の思いは第三者には分からない辛さがあるだろう。
殺されたのが自分の娘で、殺したのが自分の息子なんて、何のために産んだのか分からない。
判決を聞いた両親の心境は知る由もない。
だが、犯人の息子が家庭を崩壊させ、両親を悲しみのどん底に落としたことは事実である。
精神状態が「まとも」じゃない息子が今後「更正」できるなんて本気で思っているのだろうか。
ただ刑務所で人の話を聞いたりするだけで「更正」できるのなら、殺人なんてしない。
世の中のためになりそうもないから、やっぱり「強制労働」をやってもらうしかないな・・。
今ならミャンマーに行って、被災者のために身を粉にして救援活動をさせたほうが、
人としての心を取り戻すかもしれない・・。