今年もツバメがやってきた。

昨年は6月という遅い時期だったが、

今年は連休前から巣作りを始めていた。



店の日よけテントの端の方に作ってある。

ツバメの巣作りは彼らにとってとても重労働に見える。

小さなくちばしで少しずつ、木の枝やら土やらを持ってきて作る。



そしてしっかりした巣ができてからすぐに卵を産んだようだ。

「いくつ産んだのかな?」



昨年は2匹生まれて巣立っていったが、

卵がひとつだけ巣から落ちてしまっていた。

自然界だからそんなこともあるのだろう。



雛がかえり、親鳥がせっせと餌を運んできていた。

下から見ると3羽ほどは時に頭を見ていた。



数日前、朝店に来ると、店頭に何か落ちている。

遠めに見たときは、まさかかえるの死骸か?と思ったが、

近くによって愕然とした。



雛が1羽落ちて死んでしまっていた。

様子はあえて書くまい・・・



可哀想だが、これもやはりツバメの巣の世界である。

巣から落ちた雛は、その生存競争に負けてしまったと思うしかない。



すくってやり処分するしかなかった。

親鳥も様子がおかしい。

数が足りないことはもちろん分かっていたはずだ。



巣の中を何度ものぞく仕草が痛々しかった。



そしてその後、巣の中から頭を出していた雛は、4羽。

まぁ、なんとも子沢山だこと・・・



あの小さな巣の中に5羽もいたのか・・

はじき出された雛は一番弱かったのかもしれない。



ツバメは渡り鳥だ。

小さな体で海の上を飛ばなくては生きていけない。

この小さな巣の中でも、強い遺伝子を残すために

彼らの生存競争は今でも行われている。



生き抜くことは、半端ではない。

隣との競争ではなく、

まず自分が強くならなくてはならない。



もちろんツバメだけの世界の話ではない。



今日もツバメの巣を見上げて

全員が元気に巣立って欲しいと願うばかりである。