イタリアで行なわれている、ノルディックスキーの世界選手権。複合団体(ノーマルヒル)は4位、ジャンプ混合団体は圧勝で金メダル獲得の快挙となった。以下に、2日遅れではあるが、感想を書いてみたい。
両種目を見て先ず感じたのは、選手・コーチ・スタッフが、それぞれの役割を果たしたチームワークの良さが目立つことだ。
ジャンプ混合団体では、飛ぶ順番というのが重要なファクターとなる。それは、飛ぶグループにより、ゲート設定(低いゲートほど助走路が短くなる)が違ったり、チームにより選手配置の戦略が異なるからだ。日本チームの場合、女子は高梨の力が抜きん出ている為、伊藤が1人目高梨が3人目で問題ないだろう。しかし、男子は、本来なら去年W杯で4勝している伊東がエース格なのだが、今シーズンは夏場の怪我が尾を引いて未だ復調途上にあり、本来の実力を発揮しきれていなかった。一方、もう一人の竹内は、今シーズンに入り実力を伸ばし、しかも現在絶好調。コーチ陣が、実績より今一番強い竹内をアンカーの4人目に起用した決断は、大当たりだった。伊東も腐ることなく、2人目のグループでは実力上位の利点(ゲートは一番強い選手が飛び過ぎないように設定される)を生かし、2本とも100mを越えて高得点をたたき出す活躍だった。高梨は、傾斜の緩やかな助走路にもすっかりなれ、全選手中の最長不倒距離(106.5m)を記録。テレマークが入らなかったのはご愛嬌か。竹内も、100mジャンプを2本揃えた。既に、伊東と並び両エースと言ってもいい力がある。気の強さが前面に出たような、いい雰囲気を持った選手だ。直前のW杯では2位に入っていることもあり、近い将来に初勝利を挙げるのではないか。この3人に比べて、女子の伊藤の成績が見劣りすると思われるかもしれないが、4人で計8本で争うのが団体戦。伊藤選手は、今持っている力は十分に発揮していたと思う。彼女は2本とも90m以上飛んでいる。もしその内の1本でも、70m台の失敗ジャンプになっていたら、金メダルはなかったかもしれない。団体戦では、エースが力通りの活躍をすることも大事だが、3番手,4番手の選手が実力を出し切ることがチームの勝利に繋がるのだと、伊藤のジャンプを見て改めて思った。今回から採用されたこの新種目がオリンピックでも採用され(来年のソチ五輪では採用されていない)、世界選手権でも長く続くことを願いたい。
複合団体(ノーマルヒル)は、ジャンプでトップに立ちクロスカントリーで逃げ切りを図るという理想的な展開になり、3人目のエース渡部暁斗が先頭でアンカーに繋いだが、ゴール間際のスプリント勝負に破れ4位に留まった。そのエース渡部(兄)の調子が、去年W杯で総合2位に入った頃と比べて今一つであることや、直前に体調を崩していた選手がいたことが悔やまれるが、日本人選手にとって厳しいルール変更が相次いだ中(先日の記事で書いたジャンプのルール変更に加え、日本選手が得意なジャンプよりもクロスカントリーに比重をおいて争うルールに変わった)で、4年前の同大会・同種目の金メダルに続いて、今回4位に入ったことは、複合日本の復活に向けて、着々と強化が進んでいることが証明できたのではないか。クロスカントリーで、欧州勢に見劣りしない走力を持った選手がもう少し出てくれば言うことはない。この試合で一番印象に残ったのは、NHK・BSの中継でも話が出ていたが、日本チームのスキーが他のチームに比べて明らかに滑っていたことだ。これはワックスマンの能力が高いということだ。雪質を見極め、どのワックスをどう塗れば、一番スキーが滑るのかを熟知しているのだろう。正に職人技。専門職なのか、コーチや用具メーカーの関係者なのか、日本人なのか外国から招いたのは分からないが、4年前に金メダルを獲得した時から代わらずに勤めているのだろう。これは、大きな戦力だ。日本チームは、このワックスマン(女性だったらごめんなさい)を絶対に手放してはいけないと思う。逆に、他のスキー種目にもその技術を生かしてもらいたいし、後継者を育成して、技術を継承してほしい。
今回の世界選手権では、これから、男子ジャンプの個人ラージヒルとラージヒルの団体戦。複合の個人ラージヒルと団体(ラージヒル)の4種目が行なわれる。上記で名前を挙げた選手達の調子も上向いているようなので、メダル争いを期待して、いつものように録画予約を入れようと思う。
今日の一曲は、「サーフ天国、スキー天国」 松任谷由実 1980年
アルバム 「SURF&SNOW」 より
スキー関連の、安易な選曲の第3弾です。
あの、映画の主題歌ですね。
今の40~50代の方なら、車でよく聴いたのでは?
助手席には……。
では、また。