夜が明ければ、参院選の投票が始まる。僕は、自民党がなぜ、未だに高い支持率を集め、今度の選挙でも圧勝する勢いにあるのかが、全く理解できない。初めて総理大臣というものを意識したのは、物心付いた頃だから幼稚園児だったと思うが、佐藤栄作という人が死ぬまで続けるのだと決め付けていた。もちろんそんなはずはなく、政治に興味を持った20代後半以前もそれ以降も、まるでマンションの管理組合の持ち回りの理事長職のように、多くの政権交代が繰り返されてきた。その中でも、最も支持できず、でたらめな政策を掲げ、国民をペテンにかけているように思えるのが、現在の第2次安倍内閣だ。一つひとつを、調べて、考えて、拡げて書くことはできなかったが、選挙結果と比較して考え直す為にも、安倍政権への批判に絞って、今おかしいと感じていることを羅列しておきたい。
アベノミクスというのは、日・米の政官財の癒着の構造の中で結託して作り上げた、金融カラクリ相場でしょう?実際、バーナンキが何か言ったり、海外のヘッジファンドが先物に仕掛けるたびに、日経平均は暴騰・暴落しているではないか。どんなに待っていても、バブルの雫は一般庶民や弱者には落ちてこない。国の借金を増やして買いオペを繰り返しても、その金を使って儲けているのは、金融市場に莫大な資金をつぎ込むことができる金持ちだけ。円安を黙認してもらう為に、TPPなどでアメリカに譲歩しまくり、その付けはこれから庶民の生活の中でゆっくりと確実に払わされる事になる。
金持ち大企業は、円安株高で持ち合い株や海外資産といった内部留保の価値が上がり、本業とは関係なく見せかけの業績はアップし、ホワイトカラーの社員のボーナスや一部給料は上がったかもしれない。こうして儲けた金持ちが、高級品を買えば、名目上の消費が上がったように見えるのは当たり前だ。彼ら大企業の社員が、飲み会で景気上昇を語るシーンを、時間をかけてこれ見よがしに写し続ける癒着の構造の仲間内のマスコミ報道にはうんざりする。
しかし、その大企業が、生産や部品の調達を、コスト削減を大義名分に海外にシフトしているから、中小企業は仕事自体が減少し、借金をして設備投資をする必要も、増してや事業拡大などありえない。一方で、貸し渋りは解消していないから、本当に困っているところには、融資はされないのだ。どちらに転んでも、大企業優遇で、中小企業は淘汰されても仕方ないというのが、アベノミクスの正体ではないのか?これで、海外での競争力アップなどといって、法人税減税というのだから、なんと言えばいいのか分からない。
庶民生活では、既に悪影響が出始めている。インフレターゲットによる物価高で、日用雑貨や食料品の価格は確実に上がっている。僕の実感では、肉・野菜・パン類・紙類・食用油に顕著に現れているように見えるのだが。しかも、何度もここに書いているように、内容量を減らすという手法で、デフレと言われていた頃から、何度も値上げを繰り返して来たのが件の大企業だ。それに加えてのインフレターゲットで、大手を振るって値上げが始まり、2重に儲けて、かつアベノミクスの恩恵を独り占めし、笑いが止まらないのでは?更に、公共事業によるばら撒きの復活でゼネコンも儲かり、バブルで儲けた金持ちによる需要で不動産業も大儲け。そこに発生する利権で官僚も儲かり、政治家は多額の寄付を受け取るという仕組みだ。正に、古い自民党の体質への先祖がえりだ。しかも、長老議員が殆んど絡んでいない状況でだ。
庶民生活が苦しくなるのは、これからが本番だ。消費増税、社会保障の先送りや切り捨て、更なる物価上昇、加えて、憲法改正で人権や権利まで制限されようとしているからだ。
第2次安倍政権の政治手法で、一番気に入らないのは、論点・争点を意図的にずらすことだ。今、大きく取り上げられている争点・論点は、この選挙の結果により、衆・参のねじれが解消されるのかどうか。アベノミクスと呼ばれる経済政策の評価。憲法96条の先行改正の是非。憲法9条改正による、国防軍の創設や集団的自衛権を認めるか否か。といったところか。
だが、多くの指摘がある通り、僕も本来論戦を戦わせるべきは、未だ危険な状況にある福島第一原発事故の収束を待たずして、性急に各地の原発を再稼働させることの是非及び、首相のトップセールスによる原発輸出の問題。この件を含む復旧・復興が遅々して進まない中、非難区域を強引に縮小したり、保障の打ち切りを決める反面、復興予算の流用が後を絶たないこと。自民党の憲法改正草案で問題なのは、96条や9条の改正だけでなく、天皇を国家元首と定めたり、基本的人権を制限し、集会・結社の自由や思想・良心の自由まで制限しようとしている点であること。近隣諸国、特に中・韓との外交関係。等々。
これにより、自民党案通りの憲法改正が行なわれた場合、安倍政権が公的秩序を乱すと判断すれば、原発再稼働反対のデモ行進はできなくなり、これに違反すれば罰せられることにもなりかねない。こんなものは、断じて通してはいけないだろう。
では、この見え見えのやり方が、なぜまかり通るのかといえば、ステークホルダーたるマスコミを使い、安倍政権に都合のいい争点だけを浮かび上がらせるような報道を行い、世論を操作し国民を洗脳しようとしているからだ。一般大衆をB層という小馬鹿にした、非常に腹立たしい言葉で括ったあの小泉内閣が、郵政選挙の時に使った手法の進化形だ。
今回の参院選の焦点が、衆・参のねじれが解消されるか否かなどにあるわけがないだろう。そんなものは、具体的な政策とは関係ない。ねじれがあるから権力の暴走を防ぐとの考え方は尊重されるべきであり、これは、憲法改正により立憲主義が損なわれてはならないとの考えにも通じる。ねじれを解消して、衆・参両院で膨大な権力を握った途端、「数は力」の先祖がえりで、明治憲法下のような階級社会へまっしぐらでは困るのだ。金持ちや既得権者という一部特権階級だけが潤い、大多数の一般庶民は彼らの為に働く軍人や労働者階級に過ぎず、弱者は切り捨て、死んでもかまわないというのが、安倍政権の政治思想そのものであると、僕個人は思っている。大袈裟ではない。安倍政権が続く限り、今後3年間は国政選挙は行なわれない。徴兵制や華族制度の復活が検討されても、全く不思議ではないと予想している。
外が明るくなり始めた。願わくば、自民党の単独過半数を阻止するような選挙結果が出てほしいが、今の流れが変わることはないだろう。一素人オヤジに何ができるのか?その前に、今日・明日の生活をどうしようか?投票に行く時間は取れるのか?もし行けるにしても、自・公には入れない。共産党も、主張する内容はまともに聞こえても、党名に共産の文字が入っているうちは絶対に支持できない。維新の会やみんなの党も、橋下氏がどんなに自民党批判をしても、考え方が似たり寄ったりで支持できない。消去法で行けば、残る社民党・生活の党・みどりの風などからの選択となるが、僕の地元愛知県選挙区には、候補者を出していない政党が多いなぁ。最後まで迷いそうだ。あぁ、情けない、恐怖心がつのるばかりだ。
では、また。