突然、降って湧いたように明るみに出た、巨人軍・原辰徳監督の、まだ現役だった1988年頃の女性スキャンダル。この書き出しだと、読売グループ,巨人軍サイドや大手マスコミの論調と同様に、清武氏批判をすると思うかもしれないが、全く逆だ。僕は、これらの報道の内容は嘘だらけで、指摘されている問題点も、的外れだと思っている。原監督を含む読売サイドの言い分と、それを垂れ流すだけのマスコミの偏向報道が、事実を捻じ曲げ、論点のすり替えに繋がっていると考える。そして、この問題には、渡辺恒雄氏の存在が大きく影響しているものと思っている。
この件の一番の問題点は、たとえ24年も前の話であっても、原氏が不倫をしたという事実。そして、その内容を掴んだ何者かが、18年後の2006年になって原氏を脅し、原氏も事を丸く収める為に、1億円もの大金を、反社会的な行為を行なっている何者かに支払ったという事実だろう。これは、原氏も自らが出したコメントの中で認めている。原氏は、監督を辞任するまではともかく、何らかの責任は取るべきだろう。
この問題の発端は、プロ野球が今よりもずっと華やかだった頃の話だ。表沙汰になれば、大騒動になった事は間違いない。むしろ、それを避ける為に、読売サイドが隠蔽工作をしたと見た方が、筋が通るのではないか。誰がいつリークしたとか、脅した相手が暴力団関係者であるか否かを争って済むような話ではない。一歩譲って、もし清武氏がリークしたとしても、タイミングが批判されることはあっても、原氏や、球団、読売グループの責任が消えるわけでは、断じてない。
1988年といえば、原氏はまだ30歳になるかならないかで、若大将・全盛期だ。不倫スキャンダルなどもっての外だったはず。今回明らかになったのは、2006年に1億円脅し取られた事実と、2009年になってから、別の男からの新たな脅迫があってから、球団や妻にこれまでの事を打ち明けたと述べた内容だが、それまでにどういう経緯があったのかは闇の中だ。
信じるに足る情報がなく、想像するしかないが、僕には原監督が、今日公表された「ファンの皆様へ」,「清武さんへ」と題する2通のコメントを、自分で考え、自らの意志で公表したとはどうしても思えない。これは、清武氏サイドもそう見ているようだ。メディアを通してだが、東海大相模高校時代から原氏を見ていて、今回のコメントのように、自分の非を棚に上げて話をすり替え、証拠もないのに特定の個人を犯人と決め付けて批判するような人柄とは思えないのだ。これは、以前の清武氏と読売グループ(というよりは渡辺恒雄氏)との争いの中で、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督が、清武氏を辛らつな言葉で強く批判するコメントを発表した時にも感じたことだ。2人共、球団サイドが発表したペーパーが踊っているだけで、肉声ではないのだ。
そこには、球団そして読売グループ、延いてはマスコミのドンと目される、渡辺恒雄氏の意向が強く反映されているのではないか。原監督が、一回目の監督を辞任する時、渡辺恒雄氏は、読売グループ内の人事異移動に過ぎないと言ってのけた。その言動には、名実共にスター選手だった原氏への敬意は全く感じられず、たかが選手(監督コーチも含むのだろう)の一人としか見ていない事が、如実に表れている。原氏や、あの長島氏でも、渡辺恒雄氏には逆らえないのなら、球団がその意向に沿って、わざと清武氏の名前を出して責任転嫁をし、問題の本質を曖昧にする位の事は、平気でやってのけるだろう。
そう考えると、この件に関する、マスコミ報道が、唖然とする位に読売グループ寄りであることも、ナベツネ氏批判がタブーとされる、日本のマスメディアの現状と照らし合わせて、非常に不愉快ではあるが、辻褄が合うのだ。いったい、何時になったら、この不可思議な独裁支配が終るのだろうか。鈴を付けに行く者は、どこにも見当たらない。
以上、全て、僕の個人的な見方だが、当たらずと雖も遠からず、ではないだろうか。
※6月21日(木)追記。
この問題で、21日発売の週刊文春に、原監督が暴力団関係者に1億円を支払ったとする記事が掲載されるとして、巨人軍が20日の記者会見で、名誉毀損で損害賠償訴訟を起こす方針を明らかにしているのは、既報の通り。しかし、今朝(21日)の朝日新聞には、同紙の独自取材に基いて、巨人軍側の主張を覆す内容の記事が掲載されている。この記事を受けて、読売グループがどう反応するのか。まさか、これも事実無根だとして、朝日新聞を訴えるとでもいうのだろうか。
では、また。