将棋の女流タイトル戦の、第1期女流王座戦は、加藤桃子・奨励会1級(16)が、清水市代・女流6段を3勝2敗で下し、初代・女流王座のタイトルを獲得した。
まず対戦した2人の経歴を紹介すると、清水市代・女流6段は、16歳で女流棋士としてプロデビューした後、2年後に女流名人位を獲得したのを始め、数々のタイトルを手中にし、女流王将,女流王位,倉敷藤花と併せて、女流4大タイトル(当時)を独占する等、これまでの獲得女流タイトル数は、43期。通算500勝も達成し、名実共に、女流棋士界の第一人者だ。
一方の、加藤桃子・奨励会1級は、5年前に奨励会に入会し、昨年9月に1級に上がったばかり。今回、弱冠16歳での、女流タイトル獲得となった。
これを踏まえて、このニュースを見て、あぁ、またかと感じたのは、僕だけではないだろう。女流棋士と、主に男性がプロ棋士を目指すときに入会する奨励会(4段からがプロと認められる)とは、全く別のものだが、何れも、日本将棋連盟が認めたプロの棋士である。その女流6段が、同じ女性の奨励会1級に、タイトル戦で負けた事実は、非常に重い。女流棋士という括りは、もう廃止する時期が来ているのではないか?
以前、里見香奈・女流3冠が、奨励会・1級編入試験に合格した時にも、ブログに書いたが、女流の高段位を持つタイトルホルダー(永世位を含む)が、奨励会の段位を持たない者に負ける事が問題なのだ。
奨励会では、26歳までに4段にならないと、プロとしては認められない。女流王座となった加藤桃子・1級が、プロである4段以上の棋士に勝てる見込みはまず無いと考えられる。ところが、清水市代・女流6段には、タイトル戦で勝利してしまう。これは、非常に分かり難いし、女流の段位やタイトル戦が、奨励会出身のプロ棋士や7大タイトル戦と比べて、遥かに見劣りするものである事を、改めて世に知らしめる結果になってしまった。皮肉な事に、里見香奈・女流3冠を基準にしてみれば、女流5段と奨励会1級が同じ実力で、今回の女流王座戦の結果からは、女流6段でも力の差が無い事が証明された。
能力が高く、凡人にまねの出来ない事をやるのがプロであるなら、プロではない奨励会・1級に負けてしまう女流・6段は、はたしてプロだといえるのか?これは、里見香奈・女流3冠が、奨励会編入試験を受けたとき、段位ではなくて、1級の試験を受けた時点で、分かっていた事ではなかったか?
これで、現在6つある女流タイトル戦の内、4つを奨励会1級の棋士が保持する事になった。どこから、どう見ても、変でしょう?やはり、昇段システムは、奨励会に統一した方がいい。現在の女流棋士が、奨励会の基準で段位・級位の格付けをやり直したら、恐らく有段者は1人もいなくなるだろう。それでも、今の歪な構造を変えない限り、女性棋士の実力も、地位も上がらないのではないか。女流タイトル戦が、アマチュアだけの大会になっても、ファンは離れたりしないと思うので……。
では、また。