わたしは親の都合で、小4の頃に夜逃げを体験しました
理由は父親の事業の失敗で借金をし、借金取りから逃れるため(わたしが感じたのは、もっとやばい理由があったように思います)です
小4にもなると、雰囲気でことの重大がわかります
夜逃げというくらいだから、ある日煙のように消えなければなりません
持ち物は最小限
当時は夜逃げ屋などというものは、ありませんでした
母は最小限の荷物、スーツケースを一個持ち、わたしはリュックを背負っていたでしょうか
父と母は偽装離婚をしたので、父とは別行動です
母とわたしと弟は、ひっそりと、なるべく近所の人に見つからないように、多くの荷物を家に置きっぱなしにして、家を出ました
無事、空港に着き飛行機に乗り、祖父に迎えにきてもらい、祖父の住む、汚い古い一戸建て式のアパートに住むことになりました
はじめは同居していましたが、アパートに空きが出来、母とわたしと弟の3人で暮らすことになりました
母は、身体が弱くて働けません
そこで、初めて生活保護を受けることになりました
人生初の生活保護です
それまで上の下位の暮らしをしていたわたしは、ぼろアパートに住み、生活保護を受け、随分落ちぶれたものだなぁと、悲しく思いました
あと、しばらく学校に通えませんでした
夜逃げしたので、うまく転校の手続きが取れなかったのです
そして、やっと学校に通えるようになった学校では、しばらく学校に通えなかった分、勉強についていけず、そして閉鎖的な地域だった為、いじめを受け、ものすごくつらくて、母に泣いて地元に戻りたいと泣き付きました
それでも、当たり前ですが、戻ることはできません
今なら、学校に行かないという選択肢はありましたが、当時は耐えるしかありませんでした
地獄のような日々でした
それに輪をかけて、どこで住所を調べたのか、借金取りがくるようになりました
もう、恐怖でしかありません
そんな生活が数年続き、父は新天地で仕事も少し軌道にのり、生活費を送ってくれるようになりました
でもなぜか、家族そろって住むことは、一生ありませんでした
その辺の事情は、未だわたしにもわかりません
そして、父からの生活費の送金が増え、暮らしもよくなり、わたしは学校生活にも慣れて、それなりに暮らせるようになりましたが…
しかしまさかまた、数年後に、夜逃げをするとは知る由もありませんでした
転落人生です