九州のバス事業者のうち、同じく九州の福岡県北九州市にあった西日本車体(西工)の最後のスタンダードデッカー車体となった96MCE-Ⅱ型を保有しているのは、大分交通と昭和自動車(昭和バス)の2社であります。
 また、それ以前の90MCについては西鉄バス(赤間急行用)、58MCに関しては産交バスや西肥自動車などでも存在していまして、これらは一部現存しています。

 さて96MCに戻りますと、大分交通については3メーカー、昭和バスについては1メーカー(後の名称変更分も含みます)でE-Ⅱ型が存在していて、高速・特急・特定などで使用されていまして、平成13年に登場しています。尚、灯火器などの規制もあり、平成18年・20年と若干の変更が生じているのも96MCE-Ⅱ型の特徴です。

 まず、平成13年から17年に導入された車をご紹介しますが、最初に登場した三菱エアロスター(KL-MP35JP)をご紹介します。

 (APU用)~最初に導入された車
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 (「エアライナー」用)
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 画像1の大分交通APU用の車が、その平成13年導入車でした。元々この車も元は「エアライナー」だった訳ですが、見ていてついにこのタイプにも転用車が登場したんだと言う印象を感じます。尚、画像のように、APUのラッピングが施されています。また、もう1台の・196については、現在も「エアライナー」で使用されています。

 次に、いすゞLV(KL-LV280Q1)です。
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 この車は、大分交通にのみ2台所有していますが、シャーシやエンジンはエルガのタイプをはいていまして、こうした西工架装車は珍しいのではないでしょうか。やはりジェイバス(←いすゞバス)架装が一般的でしょうからね。尚、全長は11.3メートルと、通常は12メートルである事を考えたら短尺車となっている事がわかるのではないでしょうか。

 次は、日産ディーゼルスペースランナー(KL-UA452TAN)です。

 (大分交通「エアライナー」用)
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 (昭和バス高速用)
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 この車が、昭和バス・大分交通と所有していますが、昭和バスが高速用、大分交通が「エアライナー」で使用されている車です。この車も平成14年に導入しましたが、これらが近距離路線にはよくあっていたようで、以来平成17年まで導入を続けました。尚、以降は日産ディーゼル(→UDトラックス)のみの導入となります。

 そして、PKG-規制の日産ディーゼル(→UDトラックス)スペースランナー(PKG-RA274TAN)です。

 (灯火器規制前期タイプ)平成18年・19年
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 (同・後期タイプ)平成20年・21年
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 (UDトラックス)平成22年
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 これら画像でわかりますように、若干の変更が生じているのがわかります。やはり前期タイプと後期タイプとで違う訳ですので、リアで見分けを付けた方がいいのではないでしょうか。ちなみに、ランプの違いだけでここまで変化が生じているのもわかるでしょうか。

 こうしてご紹介したE-Ⅱ型でありますが、実は昭和バスでここに来て初めての事がありました。それが以下のようにリア幕が設置された車が登場した事です。
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 この車は、元々は九州電力玄海発電所の特定用でしたが、このほど路線改造がなされ、その改造の際に始めてリア幕が設置されたのでした。それにしても、これまでもすでにE-Ⅱ型が10数台導入している訳ですが、路線改造で初めて付けられた訳ですので、これで今後従来車も取り付けられればとも思う所です。

 本当に、このタイプが登場して今年で10年を迎えます。改めて見てみまして、西日本車体の存在は大きかったようにも感じます。やはり純正よりも西工の方がいい印象があっただけに、この解散は本当に痛い解散であった事がわかるのではないでしょうか。

 (注)車庫画像は許可を受けて撮影しています。