これまで、長崎線の佐賀県内単線(一線)スルー駅の話題として、NO.1028では肥前白石・肥前竜王(いずれも佐賀県白石町)、NO.1029では肥前浜・肥前飯田(いずれも佐賀県鹿島市)・多良(佐賀県太良町)各駅をご紹介しまして、長崎線佐賀県内単線スルー駅全駅の話題は前回で終了しました。
 しかし、今回は単線スルーの駅ではありませんが、これまでご紹介した単線スルー駅とを比べる意味合いから、番外編として肥前鹿島・肥前七浦(いずれも佐賀県鹿島市)両駅をご紹介します。特に、肥前七浦駅については色々な発見がありましたので、特にご紹介したいと思います。
 まず、肥前鹿島駅です。この駅は鹿島市の中では一番乗り降り客が多い駅でもあり、特急「かもめ」が全列車停車します。そのために単線スルーではないのが特徴で、ホームのつくりも島式ホーム2線となっていて、基本的に長崎方面は1番ホーム、肥前山口・佐賀方面は2番ホームとなっています。
イメージ 1

 ただ、画像にはありませんが出発信号機は1・2番とも長崎・肥前山口両方向についている事もあり、肥前鹿島折り返し列車も設定していて、2列車
 10:32着→10:42発鳥栖行き
 14:00着→14:07発鳥栖行き
が設定してあり、これらは2番ホーム着発です。また、以下画像のように多良行き最終列車(23:08発)が肥前鹿島駅で後続の長崎行き最終列車「かもめ49号(23:06発)」を先に行かせるようなパターンとなっていて、多良行きは1番ホーム発となっています。
イメージ 17

 画像は、昨年撮影した肥前鹿島駅に停車した所の783系博多行き「かもめ」です。こちらも1番ホームに停車しているのがわかります。それにしても、この鹿島に783系が来なくなって7ヶ月になりますが、見ていて懐かしさを感じてしまいます。
イメージ 2

 次は、肥前七浦駅です。この駅は画像のように昭和8年に建てられた駅舎が時代を感じます。また、年に一度行われる「鹿島ガタリンピック」の際は、特急列車も臨時停車するほど賑わう駅でもあります。
イメージ 3

 この駅のホームは、相対式2線のホームとなっており、信号機が両方向片側しか設置していない事から単線スルー式ではく、特急列車が通過する時は、長崎方面は1番ホーム、肥前山口方面は2番ホームを通過するようになります。尚、通過する際は通過制限は60キロとなっていますので、撮影はゆっくり走行する分しやすいのではないでしょうか。
 (ホーム長崎方)
イメージ 4

 (ホーム肥前山口方)
イメージ 5

 (787系「かもめ」長崎行き)~1番ホーム通過
イメージ 18

 (885系「かもめ」博多行き)~2番ホーム通過
イメージ 6

 さてこの駅の待合室を見ますと、これまでの待合スペースに加え、これまで駅員室だった部分まで待合スペースとして開放していて、これまでの名残を偲ぶ事ができます。実際に、奥にあるベンチがある部分も、駅員室だった部分です。
イメージ 7

 また、これまでの待合スペースだった部分にも、丸い大きなテーブル(!?)が真ん中に鎮座しているのがわかりますが、これは電線を巻いてあったもので、使わなくなってからはこうしてテーブルとして再利用しているようです。
イメージ 8

 駅員室も待合スペースとして解放していますが、画像のように切符売場は残されています。もちろん開放している事から、画像12のようにその裏側も見る事ができ、昔懐かしい引き出しに目をやってしまいます。おそらくは、かつて引き出しの中にはに切符やお金などを入れていたのではないかと思いますが、今なら子供だったらここで切符売りの遊びもやっていいのではないかとも思ってしまうほどです。
イメージ 9
イメージ 10

 この駅の片隅には、頑丈な金庫が残されていました。もちろんお金自体入っていないのではないかと思いますが、金庫自体が古いので、こう言う所が時代を感じてしまいます。
イメージ 11

 また、駅員が見るような貼り紙も数点残されています。まず、以下画像のように安全に関したマニュアルや、指差に関する貼り紙を見る事ができましたし、
イメージ 12

 昭和55年改正のここ肥前七浦駅通過時刻表や旧門司鉄道管理局が発行したと思われる女性のポスターも貼ってありました。
イメージ 13
イメージ 14

 また当時の時刻を見ますと、今は廃止された緑で書かれた貨物列車や、特急や急行の時刻も見られます。また当時は、普通列車も電車以外に気動車も運行していましたし、列車番号「1」や「2」でわかると思いますが、今は新幹線の愛称となっている「さくら」の寝台特急時代の通過時刻も表示してあり、かつては列車番号のトップを握っていた事もわかります。
イメージ 15

 こうして、肥前鹿島・肥前七浦両駅の話題をご紹介しましたが、肥前鹿島駅については、先述のように鹿島市の中心駅としての力を発揮していると思いますし、肥前七浦駅には駅舎に貴重なものがこうして残されていますので、肥前七浦駅については利用した際などに見られてみてはいかがかとも思いますし、これまでご紹介しました単線スルー区間の探訪もしてみてはいかがかとも思いますね。尚、列車で利用される際は、本数が少ないですので、時刻表を確認しながら利用される事をおすすめします。
イメージ 16