如来には、3人の者が近づいてきます。

 

一人は、自ら覚りを求めて仏道修行に勤しんでいる修行者。

 

もう一人は、本当のことを知りたいと思っている神々や辟支佛。

 

そして、もう一人は、ときとしてつきまとう悪魔とその軍勢。

 

ただ、如来は寄り来た三人に対して同じように理法(ことわり)を説くのです。

 

そして、その理法はどのケースにおいてもすべて対機で説かれることになります。

 

すなわち、覚りを求める熱心な仏道修行者だからと言って特別な理法を説くことはなく、悪魔とその軍勢に対しても手を抜くことなく意味と意義の備わった完全な理法を説くのです。

 

神々や辟支佛に対しても同様です。

 

この如来の行為の根底にあるものは、「如来はただ覚りの境地を世に示現するのみ」ということです。

 

よって、仏教の本当のところを知りたい人は自ら如来に問うか、あるいは他の人が如来に問うのに応えた如来の言葉を自分自身が問うたかの如くに聞き、以て覚りの道の糧とすればよいのです。

 

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