MANIC STREET PREACHERS、14枚目のオリジナルアルバム


マニックにはその昔Richey Edwardsという伝説のギタリストが存在していた。


「デビューアルバムを発表し、世界中のチャートで1位を獲得したら解散する」というパンク精神丸出しのスタイルで活動し、このことに関してバカにされたRicheyが自身の腕にカミソリで「4REAL」と刻み込むというロック史に残る事件を起こす

実際にはデビューアルバムで解散することはなく、日本を始め多くのカルト的なファンに支えられながらも1994年に精神病を患い入院。1995年に失踪。2008年には正式に死亡宣告が発せられたが、「Richey Edwardsはまだ生きている」という都市伝説は未だに絶えず。


1996年、アルバム『Everything Must Go』でバンドは初のプラチナディスクを獲得し、1998年発売『This is my truth tell me yours』で念願の全英1位を獲得。奇しくもRichey失踪後にバンドは大成功を収め、イギリスを代表するバンドとなる…。


そんなRicheyが失踪する直前、1993年秋にツアーで訪れた札幌での情景を歌った「Still Snowing in Sapporo」から本作は始まる。


初の来日ツアー、場所は札幌ペニーレーン24


"How Could four become so strong 

Yet break and leave too soon"

なぜ4人はあれほど強くなれたのに、早々に傷つき去っていったのか


"The four of us against the world, against the world"

俺たち4人と、4人に対する世界



「4REAL事件」から考えれば本当に丸い丸いバンドになった

でもあの頃の尖りを否定する音楽では1ミリもない



50代になったマニックはRicheyが死んだ理由を探すのではなく、Richeyがまだ生きていなきゃいけない理由を必死に探す、そんな音楽を鳴らし続けている。