哲学:人間文明の過渡期 | 著者:SeeCore

哲学:人間文明の過渡期

現代は、人間だけでなくおそらく生命が誕生し以来の大変革期にあると思います。
それは、生命という定義そのものに疑問を投げかける事態だからです。
ご察しのとおり、技術革新と関係していますが、以下に見ていきましょう。

著者:本日は人間文明の過渡期と題して考えてみたいと思います。

ソクラテス:うむ。

ソクラテス:やはり、技術の発達が人間文明を大きく変えることになるだろう。

著者:具体的にはどのような部分でしょうか。

ソクラテス:まず、人工知能に代表されるような、コンピューター技術の発達だ。

著者:はい。コンピューターが登場した時は、ただの便利な道具に過ぎなかったのが、この数年で人間の脅威になりつつあります。

ソクラテス:技術は加速度的に進化していくというのが定説であり、このまま発達し続けるならば、2045年頃には、人間の知能を完全に上回ると予測されている。

著者:はい。シンギュラリティというのですよね。

ソクラテス:このような人間を上回る存在は、人間だけでなく生命史においても未だかつてなかったことである。

著者:はい。知能において最高の存在であるはずの人間が、その知能において遅れを取るということは驚嘆の極みです。

ソクラテス:この人工知能に代表される科学技術の極みにより、特に2045年以降、予想以上の文明の発展が生じることであろう。人間の知能を上回るということは、今いる人間ではその未来を予測することは不能だとなる。2045年の以前と以後とでは文明が完全に断絶しているかと思うほどの違いを見せることは間違いないことだろう。次の時代に移行する過渡期と言える。

著者:ここ怖いですね。高度な文明を持った宇宙人が攻めてきたような恐怖を感じます。
ソクラテス:その表現は、イーロンマスクが指摘していたな。彼は、人工知能に脅威を感じ、公的に警告している。ぜひ、チェックしてみてほしい。

著者:はい。

ソクラテス:次はその流れではあるが、イーロン・マスクは、人工知能の発展は不可避であり、人間が人工知能によってかなり追い込まれると見なしており、その対策として、人間のサイボーグ化を提唱している。特に人間の脳に何らかの装置、チップを搭載させ人工知能との知能の差を埋めようという構想を持っている。

著者:やはり、知能の違いはかなり重大なことで、このままだと我々生身の人間は、今の動物のような被支配者に成り下がるということでしょうか。

ソクラテス:シンギュラリティとはそういうことも意味している。だから、AIチップなるものを脳に埋め込み、対峙、対応するべきなのだ。既にイーロンは、その種の会社を立ち上げている。

著者:あわわ。完全に今までの理解を超える未来が来るようですね。

ソクラテス:そう。人間を含めた生命史において、進化ではなく、意図的に体などのハードをアップグレードするということは今回が初めてだ。

著者:はい。たくさん勉強してソフトは変えれますが、体、しかも脳を変えるなんてSFであり、信じられません。

ソクラテス:しかし、事実だし、受け入れる、受入れないにかかわらず、必ずやってくる未来だ。このような信じられない変化は前の時代との断絶を感じるので、過渡期といえるだろ。

著者:過渡期というのは分かりましたが、脳などをサイボーグ化するなんて、なんか人間じゃなくなってしまうような気がします。

ソクラテス:そうだね。人工知能そのものもそうだが、AIチップを搭載した人間も、はたして生命体なのか。生命の定義ってなんだ。人間ってなんだ。という生物学的、哲学的な問題提起もされておる。

著者:それはそうですよね。そう言えば、人工知能搭載のロボットに市民権を与えたってニュースがありましたね。確かサウジアラビアでした。

ソクラテス:個人ならまだいいが、(個人と言えるのか?)集団となって何らかの主義主張をしてきたならば、人間というか人類は、対話する必要があるのだろう。
機械のたわ言として、スルーできるのか。

著者:え、もうそんなことを考えるような段階なのですか。ちょっと早くないですか。

ソクラテス:もう数年もすれば、リアルなことになるだろう。準備しておかねばならない。人間の認識も法律も。そして、人間が生き残る道を。

著者:その辺のSF映画よりよっぽどゾクッて来ますね。認識を改める時が来ているようですね。まさに過渡期だからですね。

ソクラテス:うむ。