「民刑面白事件」 | 「現代社会を考える」と「山歩き」

「民刑面白事件」

「もめごと」→一刀両断 9

・・・カン違い・・・今回は、酷似した2例を紹介し、ケースに依り

まったく正反対の判例を、恩師 和久俊三先生の著書からご紹介しよう。

 そのー1 本物と思って買った骨董品がニセモノ→引き取ってもらえ

     るか?


  <あらすじ>

「古いものほど価値がある」骨董品ブームは、相変わらずマニアの間で

は「何か、掘り出し物は」と、ウの目タカの目である。Aさんも、そう

した骨董品マニアで、たまたま、ある骨董商の店先で、「良い物」と

おぼしき掛け物を見つけた。「しめしめ、之は掘り出し物だ」とAさん

は、店の主人に掛け合って値切りに値切った末、金十万円で之を買い求

めた。

 しかし、Aさんが、その「掛け物」を専門家に鑑定してもらったとこ

ろAさんのもくろみとは違い「模写品」だった。カツとしたAさんは、

骨董品店に「ニセモノを売りつけるとは、けしからん。返品するから金

を返せ」と怒鳴り込んだ。Aさんは、之をある「高名な画家のもの」と

勘違いしていたのだ     

 そのー2  ニセモノとして買った骨董品がホンモノだった→返さな

     ければならない?


  <あらすじ>

 骨董商Bは、「これは葛飾北斎の模写で、ホンモノではない」と思い

込み、店頭に並べていた絵を、たまたま来店中の「気に入ったと言う」

Aさんに金十万円で売った。ところが、後に、それが時価数百万円もす

るホンモノだとわかり、びっくり仰天。さっそくAのところえ飛んで行

き、「金を返すから、絵を引き取りたい」と申し出た。しかし、骨董品

マニアのAさんは、「これこそホンモノ」と知っていたから、絵を返そ

うとしない。 

 賢明な皆様には、すでにお解かりのことと思います。

 今回は、趣向を変え条文にての回答とします。秋の夜長たまには民法

を紐解かれるのもいかがでしょうか?

  民法95条・・・「意思表示」参照。但し、これは「難題」です。

・・・・さて次回は「ワルの手口ー2」です。おたがいに「注意が肝心」!



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