因縁再び -未来に生きる者の力(Ⅱ)- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

 

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。


 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 

 

「ついに、やったのね!」

 

パチュリーたちが歓喜の表情を浮かべる中、

ケンブラックが再び危機感を露わにした。

 

「信じられん。まだ、生きている…!」

 

「そんな、まともにかめはめ波を喰らったのに…⁉」

 

爆発に伴う大量の煙から人影が現れ、

次の瞬間グングニルが霊夢に直撃した。

 

「霊夢さん!」

 

美夜とパチュリーたちがそれぞれ駆け寄る。

 

「ハア…ハア…私の身体をこんなに…。

このレミリア・スカーレット様が死にかけたんだぞ!

一人残らず片づけてやる!」

 

レミリアは右半身がゾンビにでもなったかのような

もはや原型をとどめていない姿だった。

 

 

「ちくしょう、化物め…!」

 

残った力を振り絞り、次の策が思いつかぬまま

再び戦闘態勢に入ろうとするケンブラック。

 

しかし、先に果敢に立ち向かっていったのは、

今までパチュリーらとともに戦況を見守っていた

フランドールだった。

 

 

 

「フラン、お前も死にたいのか…⁉」

 

「私が…私がそばにいてほしかったのは

こんなお姉様じゃない!」

 

キィンと何度も硬い音を立てながら、

レミリアのグングニルとフランドールの

レーヴァテインが激しく交錯する。

 

「その昔、お前を幽閉し、495年間も突き放したのは

失敗だったか…。

あんな人間どもに感化され、

仲良く戯れることしかできなくなった

腑抜けた吸血鬼の妹にもう用はない!」

 

「お姉様は間違っている!

私たち紅魔館の皆が霊夢や魔理沙、

ケンさんたちに助けてもらったことだってある。

でも、人間は妖怪よりもはるかに短命。

 

だから、これからは美夜や妖夢たちと一緒に

紅魔館や幻想郷を守っていかなきゃならないのよ?

その大切な仲間が皆殺しにされた

誰もいない、何もない世界なんて私は信じない!」

 

「ほざけ!だいたい、お前に姉を殺せるわけがない。

つまり、私が勝利する運命は決まっているのだ!」

 

「あんな妖怪に心を乗っ取られたヤツの運命なんて

知ったことじゃない!」

 

フランドールの快進の一撃が

先程のダメージで動きの鈍ったレミリアの身体を

一刀両断した。

 

「そ…そんな…バカな…うわあああ!」

 

真っ二つに割れたゾンビ型の右半身は

絶叫とともに消し飛び、

純粋レミリアの身体はその場で自然再生された後、

地面に落下した。

 

「お姉様!」

 

レミリアは意識を失っていたものの、

先ほどまで顔や腕にあった模様と

邪悪な雰囲気は消えていた。

 

「やはりそうか。紫やパチュリーが言っていたように

トワの魔術と邪心が取り付いて

レミリアの心と身体を支配していたんだ」と

ケンブラック。

 

「全くいつの時代もとんでもなく汚い奴ね、

トワは…!」

 

そこには美夜に肩を借りながらも

気丈に振る舞う霊夢の姿があった。

 

「霊夢!無事だったのか…」

 

「ダメージを追ってレミリアのパワーも

だいぶ落ちていたみたいで、

幸い大した致命傷にはならなかったのよ」

 

「そうか、なら一安心だな…」

 

荒廃した幻想郷にようやく安堵の灯が立った。

 

~<修復と消去(Ⅰ)>に続く~