<注意!!>
当作品は「東方Project」と
「ドラゴンボール」をモチーフとした
二次創作小説です。
原作とは設定が大きく異なります。
以上をご理解の上ご覧下さいませ。
レミリアから発せられる怒りと憎悪のエネルギーは
たちまち周りを恐怖で震撼させた。
「ケンさん、私も闘うわ!」
「下がっていろ、霊夢。
奴の底なしの邪悪な殺気を感じとれないのか!?
今までの闘い方では何人でかかっても勝ち目はない」
「ケンブラックの言う通りよ、霊夢。
レミリアの変身ぶりは私達妖怪の知識と理解をも
はるかに超えている。
むやみに加勢するのは危険だわ」と紫が避難を促す。
「この時代のブラックも
そうやってみんなを守ろうとした。
かつてあれだけ人間社会の粛清を謳っていた者が
霊夢や咲夜に骨でも抜かれたのか?」とレミリア。
「…違うな。そんなピエロみたいな面に
変わってしまったお前と
これからその血祭りのランデブーを
楽しみたいだけだ」
「ハッハッハ…、面白い冗談だ。
ここがお前らの墓場となる
最高の思い出にしてやろう!」
殺意のみの吸血鬼となったレミリアのパワーは
ケンブラックにとっても脅威だったが、
一歩も引くことはなく、必死に攻撃を耐え抜く。
「なぜ父は一人で闘うことにこだわるのですか?」と
離れた位置から見守る美夜はパチュリーに聞いた。
「レミィのあの禍々しい姿は
トワの怨念が入り込んでレミィの闇の心と結合し、
前面に炙り出されたもの。
しかし、身体はレミィのまま…。
そのアンバランスさが怒りとなって
自制心を奪っているとしたら、
付け入るスキはそこにあるのかもしれない。
ただし、その突破口を開くことができるのは
ブラックだけ…といったところかしらね」
レミリアからダメージを受けながらも
ケンブラックの狙いはブレなかった。
「レミリア、お前の怒りと憎しみは
かつて外来世界の東京で同盟を交わした
このオレが受け止めてやる。
遠慮なく全部吐き出すがいい」
「知った風な口を叩くな、人間風情が…!
私は気に入らなかった。
かつて人間に敗れ、
ある時は人間に命を助けられる始末。
吸血鬼の王女としてこれほどの屈辱はなかった。
だからトワに精神を支配されてでも、
揺るぎない圧倒的な力を得る必要があった。
おかげで今は最高の気分だ…」
「本当に、そうか?」
ケンブラックはレミリアの言い分に
納得しきれていない様子だった。
「レミリア、オレは外来世界の人間ならこのまま
全滅しようと知ったことじゃない。
だが、いくら別次元とはいえ
オレの強さを支えくれた幻想郷の家族と仲間が
傷つけられたとあっては黙っていられん。
最低限の抵抗だけはさせてもらうぞ!」
「次の技でその無駄な抵抗も終わりにしてくれる!」
レミリアは上空に赤黒いエネルギーの塊を
造り始めた。
~<未来に生きる者の力(Ⅰ)>に続く~