因縁再び -並行世界と騒動の元凶- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 

 

一同が飛び立ち、向かった先は

崩れかけた東京タワーが立つ小高い丘だった。

樹里亜が持っていたカプセルは

特殊魔法で粒子状にしてポケットに収めた。

 

ケンブラックたちが降り立つと同時に

八雲紫もスキマ空間から姿を現した。

 

「界王神様、未来からようこそおいで下さいました」

 

「話が早くて助かるわ。

あなたにもこの話は

聞いてもらったほうが良さそうね」

 

「私や霊夢は時空がどうたらこうたらとか

あまり複雑になるとサッパリなんだよな」と

魔理沙がつぶやく。

 

「できるだけ皆さんに分かりやすく説明しますよ」と

美夜が言った。

 

「さて、どこからがいいかしらね…」

時の界王神は少々考え込んだ。

 

「まず、ヤムリーって人造人間だけど、

あれは私たちの時代にやってきたトワが

造り出したものなの」

 

「そんな…あいつは2年前に

霊夢が倒したはずじゃ…⁉」

 

「魔理沙さん、残念ながらこの時代で起こったことは

私たちの未来には干渉しません。

いわゆる並行世界というものです」

美夜が時の界王神の説明を補足する。

 

「その昔、暗黒魔界から

地球と幻想郷の偵察に来たトワは

ドラゴンボールの存在を知り、

球を集めて神龍を呼び出し、

過去の私が持つ“時の指輪”と

自分の指輪を入れ替えた」

 

 

 

霊夢が質問する。

“時の指輪”って確か

最上級の神様だけが持っておられる

時空を行き来できるアイテムですよね?

でも、神龍を呼ぶには合い言葉が必要なはずです。

どうやって知ったのでしょうか?」

 

「おそらく願いの叶え方を知っている者を脅して

聴きだしたんだと思うわ。

そして、手に入れた指輪を使って未来に来たトワは

死んだドクター・ゲロの研究所で

手付かずの状態で眠っていた

人間のサンプルといくつかの資材を使い、

魔力まで吹き込んで

恐ろしいサイボーグを造り上げた。

そこで再び指輪を使い、この時代に送り込んでから

トワは美夜たちのいる幻想郷へと乗り込んできた」

 

ケンブラックには疑問が浮かんだ。

 

「妙だな。ヤムリー出現の謎は確かに解けたが、

あれほどの強さならその未来でも

自分の手駒として使うのが自然だろう。

なぜわざわざこの時代に置いていったんだ?」

 

「あなたたちが倒したトワはどうか分からないけど、

私たちの次元では歴史改変の首謀者なのよ。

時の指輪を乱用して時空を歪ませ、

あらゆる歴史を混乱に陥れ、

ゆくゆくは世界の至る星の消滅を狙っていた…」

 

 

 

「過去形を使うってことは、

未来でもトワはやっつけたってことか?」

魔理沙がやや声を弾ませながら聴く。

 

「やっつけたというより、

かろうじて封印したといったほうが正確ですかね」と

美夜は浮かれない表情で答えた。

 

~<ビッグバンウイルスと‟破壊王女”>へ続く~