早いもので2012年も半分が過ぎ去ってしまいました。
今日から、もう7月です。
ブラジルのリオデジャネイロで6月20日から開催されていた「リオ+20」。
191の国・地域の代表らが集まり、国連持続可能な開発会議(リオ+20)が6月20日から22日にかけて開かれました。
環境保全と経済成長を両立させることを、国連では「持続可能な開発」と呼んでいます。
これをテーマにした国際会議は、1992年のリオでの環境開発会議(地球サミット)、2002年のヨハネスブルクでの持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)、そして今回の持続可能な開発会議と10年ごとに開いています。
このあたりのことについては、過去記事でも書いています。併せて読んでいただければと思います。
『成長の限界』という本をご存じですか!
世界人口70億人 地球の限界どこまで?
消える巨大湖アラル海
今回のリオでの開催は、前回のリオでの地球サミットから20年となるので「リオ+20」と呼ばれています。
前回の地球サミットでは、気候変動枠組み条約、生物多様性条約、砂漠化対処条約という3つの大きな成果を生みました。
1992年のリオでの地球サミットにおいて採択されたのが「リオ宣言」。
21世紀に向け、持続可能な開発を実現するために行動計画を具体的に規定したのが「アジェンダ21」。
これを受けて、日本でも環境マネジメントに関するISO規格作りが行われ、1996年には早々と環境規格のISO14001が制定されました。
さらに20年遡る1972年、初めて環境問題をテーマにした国連の会議「国連人間環境会議」も、スウェーデンのストックホルムで開かれています。
1972年といえば、日本も他の先進国も高度経済成長の真っただ中にあり、それを謳歌していた時代です。
そんなときに、このまま経済成長を続けたら、人口、食料、資源、汚染などで人類社会は、今後100年以内に制御不能な危機に陥る可能性があるとして、定量的な推計データに基づき「成長の限界」を警告した本がありました。
それが、上記のブログで紹介した『成長の限界』という本でした。
人類が今後大きな変革もなく、このまま”成長”を行っていくならば、2100年までに社会は必ず悲劇的な破局を迎える、というこの衝撃的な内容は、多くの人々に多大な影響を与えました。
その後の国際的な環境政策の合言葉となった「持続可能な開発」の原点は、ここにあるといっても過言ではないでしょう。
この警告から40年たった現在、どうなっているでしょうか。
1990年から2010年までのわずか20年間だけをみても地球環境はまだまだ大きく変化しています。
1990年当時53億人であった人口は2010年には69億人に増加。
増加した人口16億人のうち、15億人は途上国での人口です。
GDPは22兆ドルから63兆ドルに約3倍となり、自動車台数は5億8千万台から10億2千万台に増加。
エネルギー消費量は石油換算で、80億トンから112億トンに増加。
二酸化炭素排出量は、210億トンから290億トン(2009年)へと増加しています。
「持続可能な開発」とは裏腹に、現実世界では、悲劇的な破局への道へ向かって突き進んでいるようにしか思われません。
そして、今回の「リオ+20」の実りの無さ、日本など先進国の関心の無さ。
今日はここまで。続きは次回にします。