6月中旬をめどに提言をまとめる予定で、衆院選をにらみ、麻生政権として目標とする国家像を議論するのが狙いだ。
麻生首相は安心社会実現会議で、小泉元首相が進めた「構造改革路線」を修正し、社会保障や経済の面で国民が安心して暮らせるような、新たな国家像を打ち出す考えだ。社会保障の安定財源確保が必要だと訴え、将来の消費税率引き上げに向けた環境を整備する狙いもあるとみられる。
初会合では、出席者から、「安心社会」の実現には社会保障制度の立て直しが不可欠だという声が相次いだ。直接的に消費税率引き上げを唱える意見は出なかったが、同会議を主導する与謝野財務・金融・経済財政相はもともと、税率引き上げの積極論者だ。麻生首相も昨年12月、税制抜本改革の基本方針「中期プログラム」に、消費税を含む税制抜本改革を2011年度から実施すると明記した。
しかし、最近の景気悪化で、増税論議は事実上、封印されている。首相や与謝野氏としては、有識者が幅広く参加する同会議をてこに、社会保障の安定財源確保の必要性を国民に広く伝えたい思いがあるようだ。
(読売新聞)
小泉元首相の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)2006」で、07~11年度に最大14兆円の歳出を削減し、「小さな政府」を実現する方針を打ち出しました。もちろん、今の日本の状況で、単に社会保障費を削減し続けるのは問題がありますね。国がお金を出さない分地方の負担が増えたり、削減すべきところを削減できないまま国民の負担が増え続けるのは問題です。しかし、削減すべき無駄な部分は削減するべきだと思います。「メタボ政府」が無駄な脂肪を落とし、筋肉質で骨太なスリム化を目指すならば、まだまだ小泉さんの骨太方針はすたれたものではないような気もしますね。
麻生首相の発言は「個別の施策にとどまらず、日本が目指すべき国家像について議論していただきたい。」ということですが、首相としての目指すべき国家像がよくわかりませんね。首相が目指すのは「温かい政府」のようですが、目先の障害が多すぎて、具体的にどのように「温かい政府」を目指すのか主張できないのかもしれません。まず目先の障害への対策として、国民のだれもが納得できるようなわかりやすい「無駄使いの削減案」が社会保障費の安定財源の確保につながるのではないでしょうか?例えば、「天下り」を改めて「官民人材交流センター」とした国家公務員の再就職あっせん機関ですが、この事業をすべて「ハローワーク」に任せるなんてどうでしょうか?事業の目的はそのまま再就職あっせんですし…。その他、無駄な独立行政法人などもなくしていただかないと、いくら社会保障費の財源確保だからといっても、消費税引き上げを快く賛成しかねます。「温かい政府」の前に「信頼できる政府」を目指してもらいたいというのが個人的な意見です。