名ばかり管理職 マック訴訟に対する経営者側の意見 | もっと知りたい労働法!

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東京都町田市を拠点に両立支援、労使トラブル、障害年金などに対応、『悩み』を『戦略』に変える労務管理を提案する特定社会保険労務士櫻井三樹子のブログです。日々の疑問や矛盾と戦います!!たまに日本酒でまったりします。

㈱吉野家の阿部社長がこう言っている。

『マクドナルドの残業代未払い訴訟の問題については、世間とマクドナルドの経営陣のあいだに観念の相違があると思います。つまり、世間は残業代を支払わないのはけしからんというわけですが、原田社長はご自身の経営スタンスに基づいて制度を運用されていたと思う。そういう意味で是非論じにくい問題ですが、定時管理をし、休暇の取得を奨励して、なおかつ生産性とスキルがアップするのであれば、そればベストであるとこはいうまでもありません。いずれにせよ、経営にごまかしがあると、その企業にかかわる人全員が幸福になることはあり得ない。労使が一体となって、報酬原資を配分する方程式をしっかりつくることが重要だと思います。』(PHPビジネス THE 21 6月号)

実際、マクドナルドでは労働者側から見ると明らかに経営側のごまかしと思える部分があったから訴訟となってしまった。もし、労働法のコンプライアンスに基づいていなくても、労働側も経営側も満足のいく制度の運用であれば訴訟にはならなかったかも…。

吉野家では20年前から人事制度をオンライン化し、労働時間を管理対象としてきた。しかし、時間管理をした当初、店長クラスのモチベーションが大きく下がったいう。『時間管理をされるということは、俺たちはワーカーなのか?』ということだそうだ。店舗管理者のプライドを傷つけたと。しかし、実際は過重労働を強いているにもかかわらず、それをきちんとコストとして計上せず、収益が上がったようにみせかけても収益もごまかしの数字になってしまい、誰も本気にならない。実態的にかかった人件費はきちんとコストとして計上し、全額きちんと支払う。そこを厳密にやったほうが、設定した目標に対して全社員が前向きに取り組むようになる!!

残業しないで労働時間の密度を濃く働くことで無駄なコストがなくなり収益を更に上げる!!当たり前のことですが、これが労務管理の重要課題!!残業0の働き方を目指す意識改革が必要!!

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